アパート経営の家賃収入は手取りいくら?収入を増やすコツを解説
こんにちは。
中山不動産株式会社です。
アパート経営を始めると、いくら儲かるのかは重要なポイントです。大家になっても、税金やローン返済などで収入の全額が手元に残るわけではありません。不動産投資を検討するなかで「手取りは?」「家賃収入だけで生活できる?」といった点は気になるところ。
この記事では、アパート経営の家賃収入の手取りがいくらになるのかを解説します。
手取り収入を増やすコツもあわせて紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
家賃収入の手取り額はいくら?目安を紹介
家賃収入とは、アパート経営などの不動産投資で入居者から入る所得のことです。
アパート・マンションの大家が実際に受け取れるのが家賃収入です。
そこから税金・ローン返済額・経費などを差し引いたものが家賃収入の手取り額となります。
大家の手取り家賃収入は平均で約542万円
国税庁の申告所得税標本調査によると、令和3年におけるアパート経営の平均的な家賃収入は約542万円です。
所得の金額と人数の割合は、以下の結果となりました。
所得階級 | 不動産所得を得た人(人) | 割合(%) |
---|---|---|
70万円以下 | 15,438 | 1.46% |
100万円以下 | 40,864 | 3.87% |
150万円以下 | 97,259 | 9.21% |
200万円以下 | 102,766 | 9.73% |
250万円以下 | 94,780 | 8.98% |
300万円以下 | 85,613 | 8.11% |
400万円以下 | 143,530 | 13.59% |
500万円以下 | 110,030 | 10.42% |
600万円以下 | 79,757 | 7.55% |
700万円以下 | 59,268 | 5.61% |
800万円以下 | 44,772 | 4.24% |
1,000万円以下 | 60,576 | 5.73% |
…(中略)… | …(中略)… | …(中略)… |
10億円以下 | 11 | 0.001% |
合計 | 1,089,730 | 100 |
1年間に不動産収入を得た約105万人のオーナーのうち、150〜200万円の層、400〜500万円の層がボリュームゾーンであることがわかります。
令和2年は約540万円、令和元年は約520万円、平成28年は約512万円がアパート経営での平均収入額です。
アパート経営で得られる家賃収入が年々増加傾向にあります。
家賃収入の手取りだけで生活できる?
アパート経営の家賃収入だけで生活する人を「専業大家」と呼びます。
専業大家として家賃収入だけで生活するには、最低でも手取り収入が500万円前後は必要でしょう。
国税庁の調査を参考にすれば、500万円以上の家賃収入を得ている大家は全体の約34.5%です。
数字だけ見れば可能性はありますが、家賃収入が減ることも考えられます。
不動産投資は管理業務を委託できるため、サラリーマン大家も少なくありません。
アパートを相続して収入に余裕がある場合でも、そのときの仕事はしばらく続けることが賢明です。
いつもの給料に家賃収入が加わることで「ある程度生活を楽にする」ぐらいの考え方がよいでしょう。
家賃収入で得られる手取りの計算方法は?
家賃収入はすべてオーナーの利益にはなりません。
ここでは、家賃収入で得られる手取り額の計算方法を紹介します。
また、アパート経営に必要な支出についても詳しく解説。
アパート経営を始める前に、計算方法を知ることで、収入を想定しやすくなるでしょう。
アパート経営の手取り収入の計算式
アパート経営の手取り収入の計算式を表すと、以下のように表記できます。
- アパート経営の手取り収入=入居者から得た家賃収入の全額ー修繕費や管理費などの経費、税金
家賃収入から、必要経費、税金などを支払った残りが手取り額です。
入居者が新しく入ったときには、敷金と礼金をもらうことがあります。
また、更新の際には更新料を徴収することも。この家賃収入は、礼金と更新料も含めた金額です。
ただし、敷金は、入居者が退去する際に返金するため、家賃収入には含めません。
家賃収入で得られる手取りをシミュレーション
家賃収入で得られる手取りをシミュレーションして、リアルな数字を紹介します。
<シミュレーション条件>
物件価格5,000万円、満室時想定年収500万円、自己資金1,000万円、借入期間35年、借入金利3.2%
項目 | 金額 | 概要・算出方法 |
---|---|---|
返済額(月額) | 158,440円 | 毎月の返済額 |
返済額(年額) | 1,901,280円 | 返済額(月額) × 12カ月 |
返済総額 | 66,543,819円 | 返済額(年額) × 借入期間 |
家賃収入(年額) | 5,000,000円 | 年間想定収入 |
控除・諸経費(年額) | 1,250,000円 | 家賃収入(年額) × ( 空室率+ 諸経費率 ) |
年間支出 | 3,151,280円 | 返済額(年額) + 控除・諸経費(年額) |
年間手取り | 1,848,721円 | 家賃収入(年額) - 年間支出 |
表面利回り | 10.0% | 家賃収入(年額) ÷ 物件価格 |
実質利回り | 7.5% | (家賃収入(年額) - 控除・諸経費(年額)) ÷ 物件価格 |
返済後利回り | 3.7% | 年間手取り ÷ 物件価格 |
投資利回り | 18.5% | 年間手取り ÷ 自己資金 |
このシミュレーションでは、空室率を10%と想定して、金額を算出しています。
空室率とは、空室の割合のことです。
空室率10%なら、10部屋あるアパートなら1部屋が空室であるという意味に。年間手取り約180万円なので、月額の手取りは約15万円です。
利回りとは、どの程度収益が見込める物件なのかを判断するための値です。
アパート経営を始める前には、必ずチェックをしましょう。
利回りの最低ラインや注意すべきポイントは下記のサイトで詳しく解説しています。
表面利回りだけを見て判断するのは、失敗の原因になります。
リスクや経費を考慮した利回りを確認するようにしてください。
家賃収入で得られる手取りの目安は15%
家賃収入で得られる手取り額は、先ほどのシミュレーションでわかりました。
現実には、手取り金額から税金を支払ったり、ローン返済をしたりなど、お金が出ていくシーンはまだまだあります。
シミュレーションの結果では、年間手取り約180万円、月額手取り約15万円でした。
ここからさらに税金やローン返済を引いて、リアルな値に近づけてみましょう。
年間500万円の家賃収入なら、15%程度の年間75万円が手取り額の目安です。
月額に換算すると、約6.2万円です。
アパート経営の手取り収入内訳・項目
アパート経営の手取り収入となるのは「家賃収入」と「それ以外」に分かれます。
それぞれの項目の内容と注意したいポイントについて解説します。
アパート経営の収入は家賃収入が基本
アパート経営の手取り収入の基本となるのが家賃収入です。
入居者がいる限りは基本的に毎月得られますが、以下のようなタイミングでは家賃額が変わりやすくなっています。
- 新たに入居者をつけるタイミング
- 新築ではなくなったタイミング
- 周辺に競合物件ができたタイミング
家賃相場は立地や築年数などが影響しており、空室リスクにもかかわる問題です。
ただし、一度家賃を下げると、再度引き上げることが難しくなります。
競争力を維持するために家賃額を下げる必要も出てきますが、慎重に引き下げをおこないましょう。
家賃収入以外で得られる収入一覧
アパート経営で得られる収入には、家賃収入以外の項目もあります。
- 礼金
- 更新料
- 管理費・共益費
- 駐車場代
礼金は入居者に返還されることのないお金であり、家賃の1〜2ヶ月分が相場です。
最近では空室対策として礼金を0円にするケースも少なくありません。
更新料は家賃の1~2ヶ月分が相場で、2年ごとに支払われるのが一般的です。
また、敷地内の駐車場を入居者に貸している場合も大家の収入となります。
駐車場代の相場はエリアごとに異なりますが、都心部に近づくほど月々の駐車場代が高い傾向にあります。
上記以外にも、自動販売機による収入や太陽光発電の売電収入などがあります。
アパート経営に必要な支出の種類は?
では、アパート経営に必要な支出には何があるでしょうか。
必要経費や税金といった項目をより詳しく見ていきましょう。
アパート経営にかかる経費
アパート経営にかかる経費と聞いて、修繕費や管理費を思いつく方は少なくないでしょう。
実は、経費は他にもたくさんあります。
- 共用部分の水道光熱費
- 共用部分や外壁などの定期的なメンテナンス費
- 管理会社への管理委託費
- 修繕費の積立
- 火災保険料
- 退去後の部屋の原状回復費
- 不動産会社への仲介手数料や広告費
- 利息返済
これだけたくさんの項目が、アパート経営に必要な経費に当てはまります。
利息返済とは、ローン返済のうち利息部分のことです。
ローンは「自分で借りたお金」ですが、利息は、「自分で借りたお金」ではありません。
そのため、利息部分はアパート経営の経費として扱えます。
アパート経営にかかる税金
次に、アパート経営にかかる税金に見ていきましょう。
- 固定資産税・都市計画税
- 所得税
- 県民税・市民税
- 不動産取得税
このなかで、固定資産税、都市計画税、所得税、県民税、市民税は毎年納税が発生するものです。
税金の種類 | 計算方法(名古屋市の場合) |
---|---|
固定資産税 | 課税標準額 × 税率1.4% |
都市計画税 | 課税標準額 × 0.3% |
所得税 | 所得額 × 所定の% − 控除額 |
県民税 | 2,000円+所得額 × 2% |
住民税 | 3,300円+所得額 × 7.7% |
所得税の算出に使用される税率は、所得額に応じて、5〜45%の間で変動するため、一律ではありません。
また、税率が10%以上であれば、所定の金額が控除されます。
不動産取得税は、不動産を取得したときに1回だけ支払う税金です。
居住用として使う賃貸アパートの家賃は、消費税の非課税対象であることを知っておきましょう。
消費税については、考慮しなくても問題ありません。
下記関連記事では、不動産投資における経費にできる項目とできない項目だけではなく、損をしないために知っておきたい節税のポイントについても詳しく解説しています。
家賃収入から得られる手取りを増やす3つのコツ
アパート経営をするうえでは、どうしても必要経費が発生してしまうもの。
しかし、「収入源を増やしたい」「将来に備えたい」と希望を持って始める事業であり、少しでも手元に残るお金を増やしたいところ。
最後に、家賃収入から得られる手取りを増やすコツを3つ紹介します。
手取りを増やすコツ①家賃収入×総戸数を最大化
入居者から得られる家賃で、手取り額は左右すると言っても過言ではありません。
では、その手取り額アップのためには、どのように家賃を増やせば良いのでしょうか。
それは、家賃収入×総戸数を最大化することがポイントです。
具体的には2つのパターンが考えられます。
- 戸数は減らすが、家賃を高めの設定にする
- 家賃を低めの設定にするが、戸数を増やす
1の場合は、家賃が多少高くても納得できる部屋作りにすることがポイントです。
広い部屋だったり、他の賃貸アパートにはない設備を導入したりなどで、差別化を図ります。
「他とは違う」という点がアピールできれば、入居希望者は現れやすくなるでしょう。
2の場合は、室内設備や部屋の大きさは標準仕様にします。
その代わり、家賃が低めなので、「できるかぎり費用を抑えたい」と考える方が入居する可能性が高まるでしょう。
手取りを増やすコツ②キャッシュフローを意識する
キャッシュフローとはお金の流れのことで、物件購入から返済までに動くお金の「出入り」を意識することが手取りを増やすためには必要です。
キャッシュフローを見るための目安に、利回りがあります。
不動産会社で、よく提示されているものが、表面利回りと実質利回りです。
家賃収入から必要経費を除いた、実質利回りは大切なチェックポイントとなります。
他にも、購入価格と年間の手取り額のバランスを見るため、返済後利回りも忘れずに確認してみましょう。
実質利回りより、さらに現実的な値が表示されます。
手取りを増やすコツ③空室対策をおこなう
アパート経営に必ずついて回る、空室リスク。
入居者がいなければ、その部屋の家賃収入はゼロです。
空室対策をおこなって、手取りを増やしましょう。
周辺にある物件を調査することで、人気の設備がわかることも。
特に、コロナ禍の影響で、テレワークやオンライン学習が増えたため、Wi-Fi設備がある物件は人気が出やすい傾向があります。
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まとめ
アパート経営で得られる所得の平均値は約520万円です。
そこから、税金やローン返済などをおこなうと、手取りとしては家賃収入の約15%が目安に。
手取り額を少しでも増やすためには、他の部屋と差別化できるポイントを作ったり、人気の設備を導入したりして、空室対策をしましょう。
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