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アパート経営を親から引き継ぎ|相続で必要な手続きの流れを解説

こんにちは。
中山不動産株式会社です。

アパート経営は、相続税の節税対策として注目を集めています。
しかし、いざ親からアパートを引き継ぐとなると、何をするべきかわからないという方も多いのではないでしょうか。
また、相続人が多い場合「所有者はどう決めればよいのか」「兄弟姉妹でアパートをどう分けるのか」など、さまざまな疑問が浮かび上がります。

この記事では、親から子へアパート経営を引き継ぐ際の手続き方法や相続する際の注意点を解説します。

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アパート経営を親から相続する手続き4ステップ

アパート経営を相続する手続きを4ステップに分けて一つずつ詳しく解説します。

ステップ1:アパートローン残債の有無を確認する

まず、親からアパートを相続したら、ローンの残債があるか確かめましょう。
残債がある場合、物件だけでなくローンの返済義務も引き継がなくてはなりません。

親がアパート購入時に団体信用生命保険に加入している可能性もありますが、投資用物件の場合、保険に加入せずに物件を購入するケースも多々あります。

もし、団体信用生命保険に加入していなければ、万が一のことが起きてもローンの残債はゼロにはなりません。
必ず残債の有無を確かめましょう。

ステップ2:遺産分割協議でアパートの所有者を決める

次に、アパートの所有者を決めます。もし、兄弟姉妹がいるなら遺産分割協議で誰がアパートを相続するか決めましょう。

遺産分割協議を開く場合、該当のアパートだけでなくほかの遺産や遺言書の有無をはっきりさせておくとスムーズです。

アパートのような不動産は、兄弟姉妹で均等に分けることはできません。

不公平感をなくすため共有名義にする方法もありますが、のちの物件管理や家賃収入などで揉めるおそれがあります。
相続人は、一人に絞るべきといえるでしょう。

ステップ3:銀行へ遺産分割の申し出をおこなう

遺産分割協議の結果が出たら、銀行に協議結果を申し出ます。

銀行に協議結果を申し出ないと、不動産や預金などの資産だけでなく、アパート購入時のローン、そのほかの借金も法定相続分どおりに分割されるため注意が必要です。

銀行に遺産分割を申し出る際は、遺産分割協議の際に作成した協議書を持参するとスムーズに進みます。

遺産分割協議書の作成は、手書きでもパソコンによる作成でも構いません。
誰が何を相続するかを明記し、相続人全員の署名と実印の押印を忘れないよう気をつけましょう。

ステップ4:相続登記で名義変更をおこなう

アパートの相続人が決まったら、相続登記を申請してアパートの名義人を変更します。

相続登記は義務ではありませんが、所有権を明確にするためにも早い段階で手続きしておきましょう。

もし、登記前に新たにアパートを相続する権利を主張する人が出てきたら、権利関係が複雑化しトラブルに発展する恐れがあります。

遺産協議分割が終わり、協議結果を銀行に申し出たからといって安心してはいけません。
相続登記まで早急に手続きを済ませましょう。

アパート経営を親からの引き継ぎで必要な手続き

次に、親からアパート経営を引き継ぐ際に必要な手続きを紹介します。

管理会社へ連絡を入れる

アパートの管理を委託している場合、オーナーが変わったことを管理会社に伝えます。

オーナー変更の挨拶とあわせて直接出向き、物件の管理状況やサポート内容を一度確認しておきましょう。

管理会社がオーナー変更を把握していないと、書類作成や入居者のサポートの際に混乱を招くおそれがあります。
速やかに伝えましょう。

アパートの所有者が変わったことを入居者へ通知する

アパートの所有者が変わったら、管理会社への連絡だけでなく入居者にも通知します。

被相続人の口座が凍結された場合、入居者は家賃を振り込めなくなるため、早い段階でオーナーが変わることを伝えると安心です。

相続が発生した段階で一度通知し、所有者が確定したら改めてオーナー変更の旨を伝えるとよいでしょう。

親からアパート経営を相続する際の注意点4つ

続いて、アパート経営を相続する際に気をつけるべきことを4つ紹介します。
後悔しないためにも、前もって注意点を把握しておきましょう。

注意点1:相続放棄の期間は3ヶ月

相続を放棄する場合、相続開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出ます。

相続放棄の期間を過ぎたら、アパートだけでなくほかの遺産や借金などすべてを引き継ぐことになるため注意が必要です。

期間を過ぎていない場合、借金や負債を除いた一部の遺産のみを相続する「限定承認」の行使も可能です。
ただし、期限を過ぎたら無条件ですべてを相続することになります。

注意点2:準確定申告の期限は4ヶ月

家賃収入のあるアパートを相続した場合、相続人は相続発生から4ヶ月以内に準確定申告しなくてはなりません。

準確定申告とは、被相続人の収入に対する確定申告を被相続人に代わり、相続人がおこなうことです。

申告せずにいるとペナルティを課されます。
早い段階で被相続人の家賃収入やそのほかの所得、医療費控除や社会保険料控除などを計算して準備しておきましょう。

参照:国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」

注意点3:兄弟での共有名義はトラブルになりやすい

兄弟姉妹がいる場合、アパートを共有名義にする方もいるかもしれません。
しかし、共有名義の不動産は、のちにトラブルになりやすいため避けたほうがよいでしょう。

共有名義を避けるべき具体的な理由は、以下のとおりです。

  • 名義人全員が承諾しないと物件を売却できない
  • 修繕内容や費用負担の取り決めがまとまらない
  • トラブルが発生した場合、名義人全員で対応しなくてはならない
  • 共有名義を途中で解消するには、贈与税が発生する
  • 将来新たな相続人が出た場合、権利関係が複雑になる

こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、不動産の相続人は一人に限定しましょう。

注意点4:公務員がアパート経営を相続する際は制限がある

公務員は公務員法で副業が禁止されていますが、定められた制限内でアパートを経営する分には法に反しません。

おもな制限内容は、以下のとおりです。

  • 5棟10室未満の規模で経営すること
  • 家賃収入は年間500万円未満に抑えること
  • アパートの管理等は委託し、職員としての職務遂行に支障をきたさないこと

公務員であっても上記の制限を守れば、アパートを経営できます。

参照:人事院「人事院規則14‐8(営利企業の役員等との兼)の運用について」

親からのアパート経営を継続or売却の判断基準

最後に、親から引き継ぐアパート経営を継続すべきか、売却すべきかの判断基準を解説します。
どちらが自分に適しているかよく見極めてから判断しましょう。

判断基準1:賃貸経営に適しているか

賃貸経営は毎月一定の収入を得られる一方で、さまざまなリスクも伴います。

アパートの立地がよかったり、毎月の収支がプラスだったりと賃貸経営に適している物件であれば経営を継続しても問題ないでしょう。

しかし、相続した物件が古いアパートの場合、リフォームや修繕費用を工面する必要があります。
結果的に、多額の負債を抱えることになるかもしれません。

また、騒音問題や家賃の滞納といったトラブルがすでに起きている場合は、売却を優先してもよいでしょう。

判断基準2:相続税の支払いに十分な資金がある

相続する不動産の評価額によっては、相続税が高額になるケースもあります。

評価額8,000万円のアパートを成人している子ども2人のみで均等に相続すると仮定して、相続税額を計算してみましょう。

まず、8,000万円から基礎控除分を差し引いて課税遺産総額を求めます。
「8,000万円-3,000万円+(600万円×法定人数)=3,800万円」という式が成り立ち、課税遺産総額は3,800万円です。

次に、課税遺産総額を法定相続分で按分すると「3,800万円×1/2=1,900万円」と計算でき、一人あたり1,900万円と割り出せます。

そして、1,000万円以上3,000万円以下の相続税率15%と控除分50万円を差し引くと「1,900万円×15%-50万円=235万円」と計算できます。

続いて、各相続人の相続税額を合計すると「235 + 235=470万円」です。

最後に、取得割合に応じて按分します。
今回の場合、子ども2人で均等に取得するため「470万円×1/2=235万円」と計算でき、一人あたりの相続税額は235万円です。

相続税の申告、納税期限は被相続人が亡くなったことを知った日から10ヶ月以内です。
この間に、まとまったお金を準備できるのであれば、経営を継続しても問題ないでしょう。

参照:国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」

参照:国税庁「No.4155 相続税の税率」

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まとめ

親から子へアパート経営を引き継ぐ場合、きちんと手順を踏んで手続きする必要があります。
また、相続の放棄や納税には期限があるため、余裕をもって準備することが大切です。

アパート経営を相続する際はメリットだけを見て考えることなく、経営のリスクや金銭面も考慮してから決断するとよいでしょう。

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アパート経営に関する知識と経験ともに豊富なスタッフが、初心者にもわかりやすく解説しますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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