投資用物件とは?居住用との違いは?収益物件を選ぶ5つのポイント
こんにちは。
中山不動産株式会社です。
不動産投資について調べると「投資用物件」や「収益物件」という言葉が出てきます。
何を意味するのか理解できていないまま、不動産投資を始める方が少なくありません。
居住用マンションとの違いについても確認することが大切です。
この記事では、投資用物件とは何かを詳しく解説します。
不動産投資を始めるうえで重要となる収益物件の選び方も学んで、万全の準備をしましょう。
投資用物件(収益物件)とは?3つの種類がある
投資用物件とは、投資を対象とする不動産のことです。
入居者からの賃料収入(インカムゲイン)や売却差益(キャピタルゲイン)を目的とします。
また、毎月一定の収入がある不動産のことを収益物件と呼びます。
ここでは、3タイプの収益物件の特徴を確認しましょう。
※期待利回りの参考元:一般財団法人日本不動産研究所「第47回不動産投資家調査」
収益物件の種類1:住居系不動産
住居系不動産とは、住むことを目的とした物件のことです。
アパートやマンション、一戸建て住宅などが挙げられます。
不動産投資と聞いて、ワンルームマンションやファミリー向けマンションなどを思い浮かべる方も少なくないでしょう。
住居系不動産の期待利回りは以下のとおりです。
- ワンルームタイプ:3.9~5.2%
- ファミリータイプ:4.0~5.5%
オフィスやテナントに比べると家賃収入は少ないですが、初心者にも手が届きやすい価格帯もあります。
住居系は収益物件として需要と人気の高さが特徴です。
収益物件の種類2:オフィス系不動産
オフィス系不動産とは、法人向けに事業用として貸し出す物件のことです。
オフィスビルの貸事務所が代表例に挙げられます。
オフィス系不動産は一棟投資の場合もありますが、区分化されたオフィスに投資することも可能です。
オフィス系不動産の期待利回りは以下のとおりです。
- 東京都:3.2~4.0%
- 主な政令指定都市:4.1~5.4%
基本的に規模が大きく、住居系と比べると投資金額は多額となります。
入居が決まれば賃貸期間は長く、長期にわたって安定的な家賃収入を得られるのが特徴です。
収益物件の種類3:テナント系不動産
テナント系不動産とは、商業利用を目的とした物件のことです。
たとえば、店舗や倉庫、商業施設、駐車場などが挙げられます。
収益物件のなかでも景気に左右されやすく、住居系やオフィス系と比べて空室リスクが高いのがデメリットでしょう。
テナント系不動産の期待利回りは以下のとおりです。
- 都心型高級専門店:3.5~5.5%
- 郊外型ショッピングセンター:5.2%~6.4%
- 物流施設・倉庫:4.0~4.5
こちらも借り手は事業目的であるため、基本的に安定した家賃収入が期待できます。
店舗であれば「客が入りやすい1階」が好まれる傾向にあるのが特徴です。
投資用マンションと居住用マンションの違いは?
投資用物件とは、投資を目的とした不動産のことです。
では、居住用マンションとの違いはどのような部分なのでしょうか。
ここでは、人に貸して収益を得る「投資用」と、自分で住む「居住用」のそれぞれのマンションを比較して3つの違いを解説します。
部屋の広さや設備による違い
部屋の広さは投資用マンションは比較的狭く、居住用マンションは広い傾向にあります。
投資用マンションはワンルーム〜1LDKのコンパクトな間取りが中心です。
キッチンや浴室もコンパクトであり、シンプルな部屋の設計であることがほとんどです。
入居者のターゲットは単身者であり、設備や間取りよりも周辺環境やアクセスが重視されます。
居住用マンションの入居者ターゲットとなるのはファミリー層です。
間取りも2LDK〜3LDKが中心で、室内やキッチンスペースも広めに設計されています。
立地も重視されますが、アクセス環境などの利便性よりも住みやすさが重視されます。
ローンの種類による違い
不動産の購入時に利用するローンですが、投資用と居住用で種類に違いがあります。
投資用は不動産投資ローン、居住用は住宅ローンで申し込むのが一般的です。
不動産投資ローン | 住宅ローン | |
---|---|---|
審査対象 | ・賃貸事業の収益性 ・事業の継続性 ・本人の返済能力 | ・本人の返済能力 |
借入可能額 | 年収の15倍程度 | 年収の10倍程度 |
金利(年利) | 2%~4% | 1% |
不動産投資ローンのほうが借入可能額は多いですが、審査基準は厳しめです。
不動産投資ローンは事業性としてのリスクが加味されており、住宅ローンと比べて金利が高く設定されています。
返済リスクは高いですが、価格の高い物件を購入できます。
住宅ローンは個人の年収や属性、資産などが融資をおこなううえでの判断基準です。
また、取り扱う金融機関が多く、返済期間も長いのが特徴です。
さらに生活の基盤になるため、国の減税制度である住宅ローン控除を利用できます。
価格の決まり方による違い
不動産の価格の決まり方はさまざまですが、投資用と居住用に明確な違いがあります。
- 投資用:物件が将来的に生み出す想定価値を計算する「収益還元法」により算出
- 居住用:近隣地域にある類似物件の相場と比較する「取引事例比較法」により算出
投資用マンションは、将来的に賃料収入でいくら稼げるのかが判断基準です。
つまり、家賃収入の利益率が大きいほど物件の価値も高くなります。
収益性のある投資用マンションは高く評価され、収益性がないと低く評価される傾向にあります。
居住用マンションの価値は、近隣地域にある類似物件の販売価格などが判断基準です。
つまり、市場から判断される価格で物件の価値が決まります。
投資用物件で得られる4つのメリット
投資用物件を購入して不動産投資を始めることでさまざまなメリットが得られます。
家賃収入で長期間のリターンを期待できる
投資用物件とは、第三者に貸し出すための物件のことです。
入居者がいる場合は、毎月固定の家賃収入が入り続けます。
築年数の経過や建物の劣化による家賃変動はありますが、株式投資やFXのように短期間で価値が上下することはほとんどありません。
ローン完済後は投資用物件が自分の資産となります。
毎月の家賃収入を丸々受け取れるため、老後の年金代わりとして不動産投資を始める方が増えてきています。
レバレッジを効かせられる
レバレッジとは「てこの原理」のことで、投資では小さい元手で大きな額を動かすことをいいます。
投資物件は不動産投資ローンを利用でき、少額の自己資金から不動産投資を始められます。
その結果、自己資金のみで投資するよりも、大きな利益を得られるでしょう。
金融機関から融資を受けられるのは、他の金融商品にはない不動産投資のメリットです。
少ない資金で始められるため、会社員の副業に人気の資産運用でもあります。
税金対策につながる
相続税対策として、投資用物件であるアパートを購入する方も少なくありません。
相続税は財産の評価額によって決まるため、現金で不動産を購入し、投資用物件を建てることで相続税を圧縮できます。
また、不動産所得は給与所得などの所得と損益通算できるのもメリットです。
不動産所得から出た赤字分を他の所得から差し引けます。
その結果、課税対象となる所得額が減るため、所得税や住民税の節税につながります。
インフレに影響されにくい投資対象
インフレになるとは、お金の価値が下落することです。
現物資産である投資用物件は「物」そのものに価値があり、インフレに強い投資商品といえます。
同じ資産でも銀行預金や国債などはインフレ時に価値が下がるため注意が必要です。
また、インフレが起きると物価が上がるため、不動産投資で入居者から得られる家賃収入は上昇しやすくなります。
投資用物件で注意すべき4つのデメリット・リスク
損をしないためにも、投資用物件のデメリットも把握しておきましょう。
不動産投資で想定し得るリスクを事前に対策して、万が一に備えることが大切です。
空室や家賃滞納のリスクがある
投資用物件の運用で利益を出すためには、入居者の存在は必須です。
入居者がいれば家賃収入を得られますが、借り手がつかなければ空室となり収入がゼロになります。
家賃収入がない状態でもローンの支払いは発生するため注意が必要です。
また、入居者がいても、家賃の支払いをしてくれないこともあります。
空室リスクや家賃滞納リスクを少しでも軽減させるためにも、物件管理を委託する管理会社選びは慎重におこないましょう。
築年数の経過や老朽化が価値に影響する
基本的に投資用物件の価値は築年数の経過とともに下がっていきます。
価値が下がれば、家賃にも影響を及ぼし収益が悪化するおそれがあります。
また、借り手は新築・築浅を好む傾向があり、空室リスクが高まるため注意が必要です。
築年数の経過は建物の老朽化にもつながり、売却時の物件価格が下がるかもしれません。
このような事態を避けるためにも、当初から修繕やリフォームにかかる必要な費用を考慮した資金計画を立てましょう。
税金や設備の修理など運用コストがかかる
不動産投資では、税金や管理委託費などの運用コストがかかります。
投資用物件を維持するためには、修繕費も頭に入れておかなければなりません。
税金や管理委託費はある程度一定の支出ですが、突発的な修理であれば事前にいくらかかるのか想定は難しいでしょう。
どのタイミングで必要になるのか予測がつかないため、手元に自己資金の準備をしておくことが大切です。
不動産投資で得た収益をすべて使わないように注意してください。
災害リスクで建物が倒壊する可能性がある
火災や地震、洪水などで建物が倒壊するおそれがあります。
災害リスクによる損失は計り知れず、被害の程度によっては建物の立て直しが必要になるかもしれません。
また、契約内容によっては入居者に補償が必要なケースもあります。
自然災害による損失はある程度予測ができても、完全には防げません。
予期しないタイミングでダメージを受けることもあり、災害リスクへの備えとして、建物を対象とした保険に加入しておきましょう。
優良な投資用物件の選び方|5つのポイント
投資用物件の運用で失敗しないためには、リスクを考慮した物件選びが大切です。
初心者が不動産投資で儲かるために、優良な投資用物件の選び方を解説します。
初心者は中古ワンルームマンション投資から始める
投資用マンションは「ワンルームタイプ」と「ファミリータイプ」に分かれます。
アパート経営や戸建て投資などもありますが、少額から始めるならワンルームマンション投資がおすすめです。
また、賃貸の付きはよく、購入直後に修繕費がかかるリスクが低い新築を魅力に感じる方も少なくないでしょう。
しかし、購入価格が割高になりやすいのがデメリットです。
購入価格が安く、利回りも新築と比べて高い傾向にある中古物件に的を絞りましょう。
利便性が高い立地に建っている
投資用物件を購入する前に、その土地の需要と供給がマッチしているのかを考えましょう。
人が集まる場所には理由があり、その最たるものが利便性の高さです。
- スーパーマーケットや飲食店などが付近にあるか
- 最寄駅から徒歩圏内にあるか
- 複数路線が乗り入れるターミナル駅から離れていないか
単身者がターゲットのワンルームマンション投資であれば、上記の条件は欠かせません。
ただし、どれだけ利便性が高くても、嫌悪施設(工場、墓地、ギャンブル店など)が近隣にあると避けられる可能性があり注意が必要です。
収益性・入居者ニーズ・物件スペックは合わせて考える
投資用物件を選ぶうえで大切なのは、さまざまな要素をトータルで考えることです。
たとえば、ターゲットが若い単身者に対して高い物件スペックは合いません。
利便性のある立地で物件スペックが高いと、家賃が相場より高くなる可能性があるためです。
また、利回りの低い物件は避けられがちですが、入居者ニーズが高ければ安定した家賃収入が期待できます。
一つの要素で善し悪しをで決めるのではなく、さまざまな角度から見ることが大切です。
建物の管理や修繕状況を確認する
建物の管理やメンテナンス状況によって、物件の価値が変わることがあります。
マンションの共用部分の清掃が行き届いておらず、汚れが目立っていると退去者が続出するかもしれません。
すでに入居している人にとって心地よい住環境となれば、退去率を下げられます。
壊れた設備が放置されていないか、修繕状況も確認が必要です。
投資用物件が安く売りに出されていても、購入後にどのくらいの費用がかかるのかシミュレーションしておきましょう。
築年数はバランスを考慮する
築年数は、賃料下落リスクや修繕リスクなどに大きく影響します。
築古物件は初期費用を抑えられる一方で、修繕費やリフォーム費用がかさむ傾向にあります。
空室リスクを防ぐためにも、時代のニーズに合わせた設備投資が必要になることも。
築古物件を購入する際は、物件価格だけでなく、運用コストも加味して検討しましょう。
また、リノベーション済みの投資用物件も増えてきているため、築年数はバランスを考慮した判断が求められます。
投資用物件についてよくある質問
ここでは、投資用物件に関してよくある質問にお答えしていきます。
Q1:投資用マンションに自分が住むことは可能?
入居者が付かない場合「自分で住めばよいのでは?」と考えるかもしれません。
投資用マンションは大家自身が住むことも可能ですが、いくつかのリスクがあります。
とくに注意すべき点が、金融機関との契約事項です。
不動産投資ローンの利用目的は第三者に貸すことであるため、契約違反と判断されかねません。
そのため、投資用物件に自分で住むためには、金融機関に相談して許可を得る必要があります。
Q2:居住用マンションを投資用にしても大丈夫?
投資用物件は一定の注意点がありますが、自分で住むことは可能です。
しかし、居住用として購入したマンションを投資用にすることは禁止されています。
投資用と偽って住宅ローンを組むと、金融機関から一括返済を求められます。
住宅ローンの完済前に、転勤などのやむを得ない理由で、購入したマンションに居住できないケースもあるでしょう。
金融機関にその旨を相談することで、第三者に貸し出すことを認められることもあります。
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まとめ
投資用物件を購入し、他人に貸し出すことで家賃収入を得られます。
オフィスビルやテナントなどに投資する手法もありますが、少額から始めるなら中古ワンルームマンション投資がおすすめです。
ただし、投資用物件の運用にはメリットだけでなく、いくつかのリスクやデメリットがあることも忘れてはいけません。
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