【保存版】2021年改正 住宅ローン控除の内容と変更点
こんにちは。
中山不動産株式会社です。
2020年に巻き起こったコロナ禍は生活様式や行動様式を変化させるとともに、経済に大きな打撃を与えました。
それを受けて政府は多くの税制改正を検討し、今後はさまざまな税金の仕組みが変わります。
その中でも住宅ローン控除の内容が2021年から改正され、期間や条件などもあわせて変更されます。
今回は、住宅ローン控除の内容や利用方法、2021年に改正される変更点や注意点などを解説します。
住宅ローン控除とは
マイホームを購入、新築するときに多くの人が住宅ローンの利用を選択しますが、住宅ローンを組むと所得税や住民税から控除されるのが住宅ローン控除です。
条件を満たせば新築、中古、一戸建て、マンションなど種類は問いませんし、マイホームの建築も対象になります。
それに加えて住宅ローンを組んで増改築した場合も対象です。
控除される金額は毎年年末に金融機関から郵送される残高証明書に記載されているローン残高の1%で、最大で40万円までで、所得税から還付されます。
上限こそありますが所得税で控除しきれなかった部分は住民税が控除されます。
もちろん、収めている税金以上は還付されませんが、住宅ローンを組んでマイホームを買うことで、大きな金額の控除を受けられ、期間も10年間なのでとても助かる制度ですね。
しかし、どんな住宅でも適応されることはなく、住宅ローン控除を受けるためには必要条件があります。
- 住宅の引き渡し日から6カ月以内に本人が居住すること。
- 住宅ローン控除を利用する年の所得が3,000万円以下であること。
- 床面積50平方メートル以上。
- 床面積の半分以上を居住用として使用すること。
- 10年以上のローンを組むこと。
- 居住した年を含めた前後2年間に、居住用財産の譲渡で長期譲渡所得の課税特例を受けていないこと。
以上が条件になり、中古住宅や増改築の場合はまた別に条件が課せられます。
もし住宅ローンの借り換えを行ったときでも住宅ローン控除の対象ですが、計算方法が別にありますのでよく確認しておくようにしたいですね。
住宅ローン控除の申請方法は?
住宅ローン控除は居住した年の翌年に居住地最寄りの税務署で確定申告することで受け付けられ、確定申告からおおよそ1カ月後くらいに指定の口座に入金されます。
必要書類は住宅ローンの残高証明書、不動産売買契約書または請負契約書、登記事項証明書、マイナンバーカードかマイナンバーが入った住民票。
マイナンバー関連を所有していない人は運転免許証やパスポートなどの身分証明書を用意しましょう。
中古住宅の場合は耐震基準の適合証明書を、リフォームローンの控除のときは工事証明書も添付しましょう。
以上を揃えた上で、国土交通省のホームページでもダウンロードできる、確定申告書と住宅借入金等特別控除額の計算明細書を用意し、必要事項を記入し提出すれば完了です。
会社員の方にとっては慣れないことですが、大きな金額の控除を受けるために頑張りどころです。
2年目以降は会社員の方年末調整で還付されるので、とても楽になります。
やってみるとそこまで難しくはないですし、手続き自体は変わらないので大まかな流れだけでも覚えておくと良いでしょう。
2021年から改正される住宅ローン控除の内容とは
2021年に変更される住宅ローン控除の内容のひとつに期間が挙げられます。
もともと住宅ローン控除の期間は10年間でしたが、2019年10月の消費税の増税に対する政策として13年間に延長されていました。
その延長期間は令和2年末まででしたが、令和4年12月末まで期間が延びます。
これからマイホームの購入や注文住宅の請負契約しようと検討している人は、令和3年中に契約することが前提で、令和4年末までに入居すれば適用されます。
控除される金額について10年目まで最大で40万円までで変わりはありません。
11年目から13年目までは年末に送られてくる住宅ローン残高の1%で上限は40万円まで、または税抜建物価格の2%÷3のいずれか小さい金額です。
税抜建物価格は、注文住宅の場合は分かりやすいですが分譲住宅の場合は計算しづらいです。
その場合は取引したときの内消費税額に着目しましょう。
消費税は土地に対しては非課税、建物のみが対象です。
今の税率は10%なので、消費税が180万円ならば建物価格は1800万円、その数字を当てはめて計算しましょう。
次に、床面積の変更について説明します。
床面積40平方メートル以上の建物が対象住宅になったので、小さな物件を検討していた人にとっても有り難いことです。
ですがそれには上限1000万円までの所得制限が伴います。
40平方メートルの物件を購入し住宅ローン控除の対象になるためには、合計所得金額が100万円以下ということですね。
所得が1000万円以上3000万円以下の人は従前と変わらず、50平方メートル以上の床面積の建物が対象です。
住宅ローンの借入期間や自ら居住するための住宅ということに変更はありません。
中古住宅の場合は築20年以内、マンションなど鉄筋コンクリート造の場合は25年以内の築年数に関する条件が追加されます。
もし、築年数が超えている物件を購入する場合は耐震基準が証明されている物件ならば対象です。
具体的には耐震基準適合証明書を取得すれば大丈夫です。
リフォームやリノベーション、増改築のときは条件が細かくなり、以下のいずれかの工事をすることが前提です。
- 増改築や大規模修繕。
- 壁の半分以上や床や階段のリフォーム。
- 室内の床を工事、または壁を全てリフォーム。
- 耐震工事。
- バリアフリー工事。
- 省エネ工事。
4番から6番までは一定の条件があるので注意しましょう。
これらの工事をした上で、工事証明書を発行してもらいましょう。
工事費用が100万円以上であること、店舗兼住居などの場合は居住部分に対する工事費用がリフォーム費用総額の半分以上であることが必要です。
住宅ローン控除の注意点とは?
住宅ローン控除を利用するにあたり、注意点もあります。
特に13年間の期間延長を利用するならば契約日や引渡日、入居日をよく確認しておきましょう。
今回も改正により期間が延長されましたが、今後も同じように延期される保証はありません。
期日を過ぎると対応されないと考え、早めに行動していきたいですね。
また、住宅ローン控除の還付金の使いみちとして、それありきの住宅ローンの返済計画を組んだり、家計の検討に算入するのは危険です。
住宅ローン控除は支払った所得税や住民税以上は還付されないのは先述しました。
コロナ禍のこの時代なので、収入が下がり所得税や住民税の納税額が下がることも懸念されますよ。
だからこそ、慎重な資金計画が重要になりますが、そういったことも不動産会社のスタッフなど専門家に相談しましょう。
最後の注意点として、現在議論されていることで確定的なものではありませんが、住宅ローン控除の控除率の1%がもしかしたら見直されるかもしれません。
その理由は控除額が高すぎるのではというところに起因しています。
というのも、現在の住宅ローン金利は各金融機関の企業努力やキャンペーンなどで1%より低いものも多く、住宅ローン控除を利用すると実質マイナス金利状態でした。
だからもう少し控除率を引き下げてみては、ということが現在国会で議論されています。
その結果、可決されて法律の改正と施行されてから始めて影響がでるので、今のところはこのメリットにあやかりましょう。
まとめ
住宅ローン控除は住宅の購入、新築、増改築やリフォームを金融機関からの住宅ローンで資金を用意したときに、所得税や住民税が控除される制度です。
2021年から内容が変わり、期間が13年に延長となり、住宅ローン控除を受けるための条件などが緩和されます。
現在決まっていることが将来に渡ってそのまま利用できるとは限りませんし、申請についても期間が定められているものです。
その上でコロナの影響が出るかもしれないこんな時代ですから、住宅ローン控除のことも含めて、住宅購入については中山不動産のスタッフまでご相談ください。
不動産のプロならではの目線で現状についてご相談に乗らせていただきます!
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