【保存版】住宅ローン控除には確定申告が必須!必要書類や期限の知識[すまい給付金も]
こんにちは。
中山不動産株式会社です。
マイホームの購入などで住宅ローンを利用する方はとても多いですよね。
決して小さくない金額を長期返済していくので家計の負担になる住宅ローンですが、住宅ローン控除の制度を利用すると、最大で年40万円(条件により50万円)の還付金を受けることが出来ます。
この記事で分かることは以下の通り
- 住宅ローン控除の仕組みと控除金額
- 住宅ローン控除を受けるための条件と手順
- 住宅ローン控除に必須な確定申告の方法
- お得なすまい給付金の申請方法
知らないことで損をする事はとても多いです。
住宅ローン控除の知識がない事で、条件を満たしているのに申請をしていない方や、期限を過ぎてしまい控除を受けることが出来ない方もいらっしゃいます。
この記事を読んでいただければ住宅ローン控除を得るまでの流れが理解できますので、ぜひ最後まで御覧ください。
住宅ローン控除とは
住宅借入金等特別控除の通称。
住宅の購入や省エネ、バリアフリーへの改修工事を行った場合、年末のローン残高に応じて税金が戻ってくる制度の事です。
条件はありますがリスクはなく、申請することで経済的負担を軽減できるので必ず期限内に申請しましょう。
住宅ローン控除を受ける条件
とてもお得な制度である住宅ローン控除ですが、うけるためには満たさないといけない条件が多数あります。
以下にまとめましたので、自分の条件と照らし合わせてみましょう。
- 自らが居住するための住宅の購入であること、また、投資用物件や別荘などは対象外。
- 住宅ローン控除を受ける方の年収が3000万円以下。
- 住宅ローンの期間が10年以上。
- 床面積の合計が50平方メートル以上、その2分の1以上が自分の居住部分であること、以下条件です。
条件
- 登記簿上の専有部分の床面積で判断
- マンションの場合は共有部分は含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断
- 店舗や事務所などと併用の住宅は、全て含めた建物全体の床面積で判断
- 夫婦や親子などで共有する住宅の場合、共有持分を含めた全体の床面積で判断
5.新築物件、中古物件どちらでも親や親族からの購入または贈与ではない。
6.住宅ローンの借入先が勤務先の場合、利率は0.2%以上。
7.居住した年の前後各2年間(合計5年間)に、「3000万円の特別控除」「10年超保有の税率の軽減」などの税金の優遇措置を受けていない。
8.新築ないし購入した日から6カ月以内に居住し、住宅ローン控除を受ける年の12月31日までに居住している。
中古住宅の購入には追加で以下の条件を満たす必要があります
- 耐火建築物は築25年以内、その他は築20年以内にの物件
- 築20年以上の非耐火建築物は耐震基準適合証明書や住宅性能評価等を受けている
住宅ローン控除額の計算方法
住宅ローン控除を利用した場合の控除期間ですが、令和元年10月の消費税率引き上げに合わせて、控除期間が10年→13年(消費税率10%が適用される物件の場合)に拡充されています。
また、新型コロナウイルスの影響により入居期限要件を満たせない場合でも、代わりの要件を満たすことで控除が適用されます。
詳しくはこちら→国土交通省
それでは控除の金額ですが、ローン残高の1%が必ず控除されるわけではありません。
- 借入残高の1%
- 1年間の最大控除額
- 所得税+住民税(上限13万6千5百円/年)
この①~③の中で一番小さい額がその年の控除額になります。
控除額が決まるイメージは次のグラフをご参考下さい。
※あくまでもわかりやすい表現をしたイメージ図です。
※控除期間が13年の場合は10年目までは図の通りです。
11~13年目は①②③と「建物の取得価格の2%÷3」の中で一番小さな額がその年の控除額です
住宅ローン控除を受ける方法は?
住宅ローン控除を受けるためには、購入した翌年に確定申告をする必要があります。
確定申告の時期は以下のとおり。
- 給与所得者の場合:物件購入の「翌年1月4日から3月15日」までに申請
- 自営業者の場合:物件購入の「2月16日から3月15日」の申告と一緒に申請
確定申告は必要書類を用意して管轄の税務署に直接提出する方法だけでなく、郵送で申告したり電子申告(e-tax)を利用したりすることも可能です。
また一般企業に勤めている会社員は、給与以外で収入がない場合、住宅購入の1年目に確定申告をしておけば翌年以降は年末調整によって控除が受けられます。
まとめ
- 年末時のローン残高の1%が所得税から控除される(上限40万円または50万円)
- 所得税で控除しきれない分は住民税(13万6千5百円/年が上限額)から控除
- 借入残高の1%・1年間の最大控除額40万円(50万円)・所得税+住民税、いずれかの一番小さい額がその年の控除額になる
以上が住宅ローン控除の概要でした。条件と控除額の算出方法をご自身に照らし合わせてみましょう。
住宅ローン控除の申請には確定申告が必須
住宅ローン控除を受けるためには、初年度に確定申告が必須です。
毎年1月~3月になるとよく耳にする「確定申告」ですが、個人事業主やフリーランスだけでなく、一般の会社員でも確定申告をしなければならないケースがあります
まずは、確定申告の基礎知識についてわかりやすく解説します。
そもそも確定申告とは?
確定申告とは、1月1日~12月31日までの所得にかかる税金を計算し、国(税務署)に納めなければいけない税額を報告する手続きのことです
また、源泉徴収された税金や予定納税で支払った金額が、確定した所得税より多く戻ってくることもありますが、会社員であれば確定申告をする必要はありません。
しかし、住宅ローン控除を受けるためには、会社員でも確定申告が必須です。
確定申告をする3つの方法
確定申告の申告方法は、以下の3つがあります。
- 郵送で申告する
- 電子申告(e-tax)で申告する
- 税務署へ直接持ち込んで申告する
それぞれの特徴だけでなく、メリット・デメリットについて紹介します。
郵送で申告する
まずは、管轄の税務署へ確定申告書などを郵送で申告する方法です。
最寄りの郵便局へ行き郵送料がかかるなどの手間がかかりますが、税務書まで出向く必要がなく、スムーズに確定申告を済ませることができます。
確定申告には提出期限があり、提出日は消印で判断されます。
そのため、通常の提出期限である3月15日ギリギリになって提出する場合は、郵便局の窓口で消印を確認してから提出するように注意が必要です。
電子申告(e-Tax)を利用する
電子申告の「e-Tax」というシステムを使って申告する方法です。
国税庁の公式サイトにある確定申告作成コーナーで申告書を作成して、そのまま他の必要書類を添付して送信するので、自宅で確定申告を完了できます。
e-Taxの利用にはICチップ入りの電子証明書が必要です。
ほかにも、マイナンバーの発行やICチップを読み込むためのカードリーダー を別途購入するなど、確定申告が一回限りの人には煩わしく感じるかもしれません。
税務署へ直接持ち込んで申告する
管轄の税務署へ直接持ち込んで申告する方法です。
確定申告の時期は混雑しており、手続きに時間がかかることが予想されますが、郵送代がかからず、期限内であれば確実に提出できる安心感があります。
また、税務署に行けば担当者に直接質問できます。
「これまで確定申告をしたことがなくて不安」「確定申告書の書き方がわからない」という人は、直接持ち込んで相談しながら申告することをおすすめします。
住宅ローン控除を受けるための確定申告の流れ
「確定申告ってどうやるの?」「はじめての経験でわからない」など、これまでに確定申告をしたことがない人は不安に感じているのではないでしょうか。
難しそうに感じる確定申告ですが、順番に手続きを踏めば問題ありません。
住宅ローン控除を受けるために必要な確定申告の流れについて詳しく解説します。
ステップ1:必要書類をそろえる
まずは、住宅ローン控除を受けるために必要な書類をそろえましょう。
確定申告書だけでなく、以下の書類を添付し、税務署に提出する必要があります。
必要書類 | 入手方法 | |
1 | 確定申告書A or B (第一表と第二表) | 税務署、または国税庁のWebサイトからプリントアウトする |
2 | 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(特定増改築等) | |
3 | 住宅ローンの借入金残高証明書 | 金融機関から送付される |
4 | 建築請負契約書もしくは売買契約書 | マイナンバー未発行の場合は取得まで1ヶ月ほどかかる |
5 | マイナンバーカードまたはマイナンバーが記載されている住民票の写し | |
6 | 勤務先の源泉徴収票 | 勤務先から直接または送付される |
7 | 土地、建物の登記簿謄本 | 物件の住所地を管轄する法務局または不動産会社から入手 |
住宅ローンの借入金残高証明書のように送られてくるものでだけでなく、自分で法務局などから取り寄せなければならない書類もあり注意が必要です。
契約書のコピーや住民票、源泉徴収票といった書類は、事前に準備しておくと、確定申告書の作成がスムーズに行えるので早めに取り掛かることをおすすめします。
ステップ2:確定申告書に必要事項を記入し提出する
確定申告書への記入は、以下の順番で行います。
- 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を作成する
- 「確定申告書」に必要事項を記入する
- 上記2点と必要書類を添付して管轄の税務署に提出する
まず、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を使って控除額を計算します。
記入の際は、売買契約書、登記事項証明書、年末残高証明書などを参照すると良いでしょう。
これが完成したら、「確定申告書」に必要事項を記入します。
何か不明な点があれば、税務署窓口や市区町村の相談コーナーなどで担当者が対応してもらえるので、相談しながら記入することをおすすめします。
最後に、必要書類を添付して管轄の税務署に提出すれば手続き完了です。
ステップ3:住宅ローン控除の還付金が振り込まれる
住宅ローン控除で還付金が発生した場合、指定の口座に振り込まれます。
国税庁の「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A|【税金の還付】」によると、還付金の支払い手続きにはおおむね1ヶ月から1ヶ月半程度の期間がかかるとあります。
たとえば、3月上旬に確定申告をすれば、4月中には還付されるでしょう。
還付の処理が完了すると税務署から「国税還付金振込通知書」というハガキが届いて、その4日~5日程度で指定の口座に還付金が振り込まれます。
なお、自宅のパソコンなどを使って申告するe-Taxで確定申告の手続きをした場合は、深刻から還付金の振り込みまで3週間程度となっています。
住宅ローン控除に必要な確定申告書の書き方
記入項目が多いですが、控除のために確実に記載していきましょう。
確定申告書の入手方法は3つ
- 国税庁のWebサイトからファイルをダウンロード、カラーで出力する。
- 税務署や役場の税務課、確定申告相談会場などで受け取る。
- 税務署から郵送で取り寄せする
以下国税庁のWebサイトにある令和元年の記載例です。ファイルをダウンロードしたい方はこちらから→国税庁
給与所得の源泉徴収票と住宅借入金等特別控除額の計算明細書(特定増改築等)を確定申告書に転記していく形になります。
また、国税庁のWebサイトで自動作成できる「確定申告等作成コーナー」を利用すると楽に作成できます。
上で紹介した必要書類3~7を準備して、それらを参考に指示どうりに入力するだけなのでパソコン操作に慣れている方はこちらを利用しましょう。
住宅ローン初年度はすまい給付金の申請も出来る
すまい給付金とは
消費税率引上げによる経済的負担を緩和するために作られた制度です。
主に住宅ローン控除の効果を十分に得られない収入層の方向けの制度なので、収入によって給付額が変わるのが特徴。
住宅引き渡しから1年以内に申請すれば、最大で30万円の給付を受けることができます。
すまい給付金の給付条件
主な条件は以下の通り
- 住宅の所有者・不動産登記上の持分保有者
- 住宅の居住者・住民票で住宅への居住が確認できる者
- (税8%時)収入が510万円以下
(税10%)収入が775万円以下 - 住宅ローンを利用すること
- 住宅ローンを利用しない場合は50歳以上の者
- 床面積が50㎡以上
- 一定以上の品質が担保されていること
※新築→住宅瑕疵担保責任保険に加入または建設住宅性能表示制度を利用。
※中古→不動産会社が売主であること。
さらに、既存住宅売買瑕疵保険に加入または既存住宅性能表示制度を利用。
- 給付条件を満たしている方は、給付額と必要書類をこちらから確認して申請しましょう。すまい給付金
まとめ
住宅ローン控除や確定申告の手順を解説していきました。
忘れてはいけないのは、
- 住宅ローン控除を受けるためには会社員でも確定申告をする
- 住宅ローン控除のための確定申告の期限は
✓会社員の場合「翌年の1月から3月15日」までに申請
✓自営業の場合「2月16日から3月16日」の申告と一緒に行う - すまい給付金の受給条件を満たしていれば忘れずに申請する(期限は住宅引き渡しから1年以内)
以上住宅ローン控除の解説でした。
お得な制度なのできっちり活用して、長期返済を少しでも楽にしていきましょう。
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