いらない土地を相続放棄したい!スムーズに手放す方法と注意点を解説
実家のいらない土地を相続したら、どのように管理していくべきかわからない方もいるでしょう。
土地の所有者になると毎年税金を払わなければいけないし、管理も大変です。
相続放棄を検討している中で「土地の管理を怠るとどうなるの?」「相続放棄の際に気を付けるポイントは?」など、疑問点も出てくるかもしれません。
そこで今回は、いらない土地を相続するデメリットや相続放棄について、また相続以外で土地を手離す方法をわかりやすく解説します。
いらない土地を相続するかどうか迷っている方だけでなく、すでに相続してしまった方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
いらない土地を放置するデメリット
いらない土地は所有しているだけで、さまざまなリスクを伴います。
毎年固定資産税がかかるだけでなく、管理を怠ると損害賠償の可能性も。
いらない土地を放置するデメリットを確認していきましょう。
固定資産税がかかる
固定資産税とは、土地や建物などの不動産の所有者に毎年課される税金のことです。
地方土地だと評価額が低くなり税金が安く済みますが、面積が広いとかなりの額が請求されます。
固定資産税は、土地に建物が建っていれば軽減税率が適用されます。
そのため、管理に手間がかかるからといって安易に更地にしてしまうと、次年度からの税金が格段に引き上げられてしまう点には注意が必要です。
管理に手間と費用が掛かる
土地を放置すると雑草が生い茂るため、定期的な除草が必要です。
また、定期的に家屋を換気しないと、湿気で家が腐ってしまいます。
普段住んでいる地域から遠い土地だと移動時間がかかるため、さらに管理が大変になるでしょう。
管理を業者に委託する方法もありますが、費用がかかります。
建物の老朽化が進み、自治体に危険性が高いと判断されると「特定空き家」に指定されます。
そうなると固定資産税の特例が適用されなくなり、税金が一気に高くなってしまう点には注意が必要です。
近隣からの苦情が発生する
土地や空き家のメンテナンスが行き届いていないと、クレームを受ける場合があります。
伸び切った雑草を放置すると、害虫が住み着いて近隣に悪影響を与えるかもしれませんし、見通しが悪いと交通事故の心配もあるでしょう。
また、荒れ地は不用品やゴミの不法投棄場所になりやすく、地域の景観を損ねるだけでなく悪臭の原因にもなります。
損害賠償責任の可能性も
老朽化した建物が倒壊して通行人や近隣住人にけがを負わせてしまった場合、土地の所有者は損害賠償を請求されることがあります。
場合によっては数千万円の賠償金を請求されるケースもあるので、「老朽化した空き家の放置は大きなリスクを伴う」ということを心に留めておきましょう。
空き家トラブルについては、下記ページでも詳しく解説しています。
関連ページ:空き家トラブルが社会問題に!?空き家を放置する3つのリスクも解説
いらない土地はすぐに相続放棄しよう
いらない土地は、相続放棄を検討しましょう。
田舎の資産価値が低い土地は、相続放棄の機会を逃すとそう簡単には土地を手放せないからです。
相続放棄の流れや必要書類、費用について解説します。
相続放棄の流れ
相続放棄とは、土地を含め被相続人が残したすべての財産の相続を放棄することです。
相続放棄する場合は、土地を管轄する家庭裁判所に申請をし、主に次のような流れで手続きが進みます。
- 相続放棄の申述書を作成する
- 新住所を家庭裁判所に提出する
- 家庭裁判所から照会書を受け取る
- 照会書に必要事項を記入の上郵送する
- 返送後、相続放棄申述書受理通知が届く
自分でおこなうのが難しい場合は、弁護士などの外部に依頼することも可能です。
相続放棄の必要書類
相続放棄に必要な書類は、下記の通りです。
- 相続放棄申述書
- 収入印紙
- 郵便切手
- 戸籍謄本
被相続者と相続放棄する人の関係性によって、戸籍謄本に記載する事項が異なったり、除籍謄本が必要になったりするので、必要な書類はあらかじめ裁判所に確認しておきましょう。
相続放棄の費用
相続放棄の手続きには、次のような雑費がかかります。
- 収入印紙代
- 郵送のための切手代
- 戸籍謄本の取得費用
手続きを弁護士などの外部に依頼する場合は、別途費用が必要です。
いらない土地を相続放棄する際の注意点
相続放棄する際は、相続できる期間や相続人全員への確認、また土地の管理義務など、把握しておきたいポイントがいくつかあります。
スムーズに相続放棄の手続きを進めるために、相続放棄の注意点を4つ確認しておきましょう。
特定の財産だけを放棄できない
相続放棄する場合は、被相続人が残したすべての遺産の相続を放棄する必要があります。
「いらない田舎の家や土地だけ相続放棄できないの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、不要な土地や借金などのマイナスの遺産だけを手放し、預貯金や株式などのプラスの遺産を受け継ぐことはできません。
明らかに負の遺産が大きい場合はすぐに相続放棄を選択できますが、メリットがあるか微妙な場合はよく検討する必要があります。
法定相続人の全員が相続放棄しなければならない
相続放棄は、自分一人で完結できる問題ではありません。
自分が相続放棄すると、優先順位が下の法定相続人に相続権が移るからです。
法定相続人とは亡くなった人の遺産を相続する人のことをいい、次のような順位で決まります。
順位 | 被相続人との関係 |
常に相続人 | 配偶者 |
第1順 | 子供 |
第2順 | 父母や祖父母など(直系尊属) |
第3順 | 兄弟姉妹 |
相続放棄は、法定相続人全員の承諾を得ている状態でおこなうのが望ましいでしょう。
「相続財産管理人」の選任が必要
法定相続人全員が相続放棄した場合でも、不動産に関しては所有者に対して、土地の管理義務が残ります。
土地の管理責任を手放すためには、予納金を支払い裁判所に「相続財産管理人」を選任してもらいましょう。
相続財産管理人は多くの場合弁護士や司法書士などが選任され、債務の支払いや財産を国庫に帰属する役割を果たします。
相続放棄には期限がある
相続放棄できる期間は決められており、相続の開始を知ったときから3カ月以内に家庭裁判所に申請する必要があります。
つまり、被相続人の死亡を知ってから3ヶ月しか猶予期間がありません。
この期間を過ぎると相続放棄が認められないので、相続放棄する場合は、事前に法定相続人全員と話し合っておきましょう。
相続放棄以外でいらない土地を処分する方法
土地を処分するには、売却、寄付・譲渡などの方法がありますが、資産価値の低い土地を手放すのはそう簡単ではありません。
相続してしまった土地を手放す具体的な方法を見ていきましょう。
売却する
いらない土地は、売却することも可能です。
自分では価値がないと思っている土地でも、第三者から見ると活用方法があるかもしれません。
土地の売却は、不動産会社に仲介や買取を依頼する方法が一般的です。
しかし、地方の土地だと買い手が現れないこともあります。
隣地の方や地元企業は土地を有効活用できるかもしれないので、お声がけしてみましょう。
土地を売却して所得を得た場合は、譲渡所得として所得税がかかる点には注意が必要です。
寄付・譲渡する
売れない土地は寄付や譲渡もできますが、引き取り先を見つけるのは非常に困難といえるでしょう。
受け入れ先は、自治体や個人、法人などが考えられます。
「土地を自治体へ寄贈すると必ず引き取ってもらえる」と認識している方もいるかもしれません。
しかし、自治体は資産価値のない土地を受け入れることはほとんどありません。
重要な収入源である固定資産税の財源が減ってしまうだけでなく、土地の管理費もかかるからです。
個人に寄付する場合は、土地の隣家がほしいケースがほとんどでしょう。
土地を賢く手放すなら専門家に相談しよう!
いらない土地は、所有するだけで税金や管理、損害賠償などのさまざまなリスクを伴います。
そのため、土地の管理に困る場合は速やかに相続放棄するのがおすすめです。
相続してしまった土地は国に返すことはできず、誰も相続しない土地はそう簡単に手放せない点には注意しましょう。
土地の相続や売却、寄付についてわからないことがあれば、中山不動産までご相談ください。
疑問や不安を少しでも減らせるように、お客さま一人ひとりに合った解決方法のご提案をさせていただきます。
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