【専門家が解説】コロナ禍における住宅ローン控除について
こんにちは。
中山不動産株式会社 です。
今回は住宅ローン控除について徹底解説していきたいと思います。
この記事を最後まで読んで頂くとコロナ化においても住宅ローン控除についての制度をより詳しく知ることが出来ますので、ぜひ、最後までお読みください。
住宅ローン控除概要
住宅ローン控除とは、正式名称は住宅借入金特別控除といい、一定の条件を満たしたマイホームを購入した場合に年末のローン残高に応じて税金を所得税で直接引く制度です。
一定の条件とローンの年末残高で決まります。
住民税と所得税を関連していきますので、その解説もあわせて説明していきます。
控除の条件を箇条書きにします。
・物件購入後半年以内に住む。
・12月末日に住んでいる。
・50平米以上のマイホーム。
・半分以上を居住スペースとしている。
・10年以上の住宅ローンがある。
・所得が3000万以下であること。
以上を見ていただいた通り会社員であれば新築マイホームを購入すると必ず使える制度になっています。
次に住宅ローン控除についての計算方法ですが、こちらも箇条書きに記載します。
計算方法
原則
・年末借入残高金額の1%を控除。
・所得税は最高額40万円。(長期優良住宅は最高50万円)
・所得税でひききれない分は住民税から引ける、最高額13万6千5百円。
・期間は10年間(2020年まで入居の場合13年間⇒ただしコロナの影響で変更有)
この条件についてシュミレーションを出しながら説明していきます。
所得税14万円・住民税24万という方だと控除額は14万円+13万6千5百円で控除最高額の40万円には程遠いです。
このシュミレーションのサラリーマンの方は年収500万円ぐらいです。
最高額の40万円に届くためには給与年収670万円ぐらいです。
この方だと所得税26万円住民税35万円となるので最高控除額が受ける計算です。
こういう人は年収的に少ないといえます。
住宅ローン控除という制度を最高額控除に至るサラリーマンの方は少ないというのも一つのポイントですね。
次に、この制度に利用するにはなにも手続きをしなくていいわけがありません。具体的な方法について解説いたします。
初年度は、購入翌年の3月までの指定日に確定申告が必要になって来ます。
少し大変ですが整理しながら行うと楽ですので一緒にやっていきましょう。
こちらも、箇条書きにしていきます。
必要書類
・確定申告
・不動産契約書
・不動産登記簿謄本
・特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住民票の写し
・金融機関から受け取る残高証明書です
・中古住宅の場合耐震基準適合証明書
申告に必要な書類として、申告書類は確定申告書の書式というものを使用し、それと同時に特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算明細書という用紙を提出しなければなりません。
まずは、確定申告書類ですが、こちらの書類はダウンロードすることができます。
会社からもらう源泉徴収票を見ながら書いていただければ難しいことは全くありません。
その年の収入左下に控除される金額を記入し右上の部分に税金を記入していきます。
難しそうに見えますが、記入例が国税庁のホームページに載っておりますし記入の仕方がわからない場合には電話で聞くこともできますので一般の方でも記入することは難しいことは決してありません。
そして、もう一つの書類である住宅借入金等特別控除額の計算明細書の記入の仕方としては上の方にいつから住み始めたかという時期や購入金額床面積などを記入し中央に住宅ローンの残高などの情報を記入していきます。
以上が、確定申告書類でした。
この2種類の書類のほかに添付書類が必要になります。
まず、住民票の写しが必要です。
これは説明するまでもないですね。
次に、金融機関から受け取る残高証明書です。
その年の年末における住宅ローン残高が書かれている書類です。
そして、登記事項証明書です。
こちらは法務局に不動産の権利情報が記載されているものでその内容証明する書類になります。
コンピューターで処理したデータを専用用紙に印刷して受け取る形式になっていますので、土地建物の登記事項証明書は登記所や法務局証明サービスセンターの窓口で交付を請求することは出来るのですが、郵送による交付請求もできますしご自宅のパソコンからオンラインによる交付請求を行うこともできます。
そして、不動産売買契約書です。
こちらは施工会社やマンション販売業者などと取り交わした契約書になります。
次に、給与等の源泉徴収票を職場から受け取ってください。
そして中古住宅の場合耐震基準適合証明書などの書面を提出する必要がある場合があります。
2年目以降は年末調整で所属会社において住宅ローン控除を行うことが出来ます。
気をつけなければいけないことは初年度の確定申告を税務署からもらえる書類を使って行います。
2年目から10年目までの書類がまとめて送られてきます。
これを紛失などしてしまうケースが多いのできっちり保管してください。
紛失してしまった場合、再発行は税務署でできますが、年末調整の期間に間に合わない場合は2年目も確定申告になってしまいますのでご注意してください。
消費税増税やコロナの影響で住宅ローン控除制度の変化
住宅ローン控除期間は基本的には10年間ですけれども2019年の10月以降つまり消費税増税以降から2020年末までの不動産取得の場合13年間に伸びることになりました。
10年間は年末ローン残高の1パーセント控除される計算になりますが、最後の3年間だけは特殊計算な計算式を用います。
建物にかかった消費税額の購入金額の2%の消費税を3で割って返していきますよという計算式です。
イメージは消費税分につきましては、国が少し負担しますよという形ですね。
新型コロナウイルスの影響を踏まえた住宅ローン減税の適用要件が弾力化
そしてコロナの影響で、住宅ローン控除についても制度改正されています。
2020年4月30日に国会で成立し、コロナによる弾力化措置がとられるようになりました。
住宅ローン控除13年間受けるにはいつまでに住宅を購入すればいいのか、コロナの影響で結局いつまでこの特例を使えるのか疑問に持っているのではないでしょうか。
結論を言えば住宅ローン控除が10年から13年まで伸びる特例は、2021年9月までに契約して2022年の末までに入居という適用要件で調整が進んでいます。
ただし、住宅ローン控除の特例の2年延長は2021年度の税制改正から実施される予定です。
つまり、それまでは現場の弾力化措置である2021年末までの入居月注文住宅は、2020年9月までの契約分譲住宅既存住宅を取得する場合や、増改築等は2020年11月末までの契約という条件を満たさなければ特例は適用となりませんのでご注意下さい。
以下に、国土交通省から発表された『新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた住宅ローン減税の適用要件弾力化措置の詳細』を掲載しますので、しっかり読んでご理解ください。
(1)以下の要件を満たした上で令和3年12月31日までに入居すれば、特例措置の対象となります。
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000153.html
[1]一定の期日までに契約が行われていること。
・ 注文住宅を新築する場合:令和2年9月末
・ 分譲住宅・既存住宅を取得する場合、増改築等をする場合:令和2年11月末。
[2]新型コロナウイルス感染症の影響によって、注文住宅、分譲住宅、既存住宅又は増改築等を行った住宅への入居が遅れたこと。
(2) 既存住宅を取得した際の住宅ローン減税の入居期限要件(取得の日から6ヵ月以内)について、取得後に行った増改築工事等が新型コロナウイルス感染症の影響で遅れ入居が遅れた場合でも、以下の要件を満たしていれば、入居期限が「増改築等完了の日から6ヵ月以内」となります。
[1]以下のいずれかの期日までに増改築等の契約が行われていること。
・ 既存住宅取得の日から5ヵ月後まで
・ 関連税制法案の施行の日から2ヵ月後まで
※施行の日より前に契約が行われている場合でも構いません。
[2]取得した既存住宅に行った増改築等について、新型コロナウイルス感染症の影響によって、増改築等後の住宅への入居が遅れたこと。
また、この弾力措置を適用するためにコロナの影響で入居が遅れたことを証明する書類については以下のURLからご確認ください。
https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000154.html
2021年度の税制改正で住宅ローン控除はどう変わるのか
2020年12月10日に2021年度の税制改正大綱が発表され、住宅ローン控除の期間延長と建物の広さ要件の緩和が検討されます。
従来は2020年12月31日までに入居した場合に限り、住宅ローン控除が3年延長されていましたが、今回の税制改定で2年延長され2022年12月末までに入居すれば住宅ローン控除が3年延長されます。
この特例に適用されるには、新築注文住宅では2021年9月、マンションや中古住宅では2021年11月までに契約する必要があります。
住宅ローン控除の対象となる床面積の要件に関しても、従来の50平米以上という条件から40平米以上と緩和されます。
ただし注意点として、この緩和にあわせて所得制限が厳しくなります。
今回の緩和で対象となる「40平米以上50平米未満」に対しては、通常の「年間3,000万円以下(年収換算3,195万円以下)」から「年間1,000万円以下(年収換算1,195万円以下)」へと厳しくなりました。
この緩和によって1LDKや2DKなど、単身世帯や2人世帯用のマンション、住宅の購入まで対象が広がる形になります。
また、これらの緩和に合わせて「すまい給付金」も見直され延長となります。
住宅ローン控除の仕組み上、所得が少ない場合に住宅ローン減税の恩恵を十分に受けることができません(所得税+住民税が40万円を下回る場合)
すまい給付金はそういった所得層を対象に10~50万円のげんきんを給付する制度です。
給付対象となるのは収入が775万円以下の人で、収入が少ないほど給付額が多くなる仕組みになっています。
従来のすまい給付金の適用期限は2021年12月末までに入居となっていましたが、2021度税制改正で2022年12月末までの入居と延長されました。
合わせて読みたい
【住宅ローン控除Q&A】住宅ローン控除はきちんと理解すれば難しくない!
Q.住宅ローン減税を受けるにはどんな手続きをすればよいですか?
会社員でも個人事業主でも確定申告をしないといけません。
会社員の場合は2年目以降は会社の年末調整で控除を受けることができます。
確定申告は、必要書類を揃えて税務署に提出してください。
Q.住宅ローン減税に伴う確定申告に必要な書類を教えてください
[1]明細書
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000076.html
[2]住民票
[3]残高証明書
[4]登記事項証明書、請負契約書、売買契約書等(家屋の新築又は取得年月日、家屋の新築工事の請負代金又は取得対価の額、家屋の床面積が50㎡以上であることを明らかにする書類)
[5]給与等の源泉徴収票(給与所得者の場合に必要になります)
[6]耐震基準適合証明書、住宅性能評価書(耐震等級が1、2又は3のものに限る)又は既存住宅売買瑕疵保険付保証明書
※中古住宅(木造:築20年超、マンション等:築25年以上のもの)を取得する場合のみ。
(注1)長期優良住宅の場合、上記[1]~[5]に加え、「長期優良住宅認定通知書」と「住宅用家屋証明書(又は長期優良住宅建築証明書)」が、認定低炭素住宅の場合、上記[1]~[5]に加え、「低炭素建築物新築等計画認定通知書」と「住宅用家屋証明書(又は低炭素住宅建築証明書)」が必要になります。
(注2)土地の取得に係る住宅借入金等がある場合には、上記に加えて以下の書類が必要です。
・土地等の登記事項証明書(当該土地等を取得したこと、取得年月日、取得の対価の額を明らかにする書類)
・建築条件付で購入した場合・・・当該土地の分譲に係る契約書の写し等(契約において一定期間内の建築条件が定められていることを明らかにする書類)
・土地の先行取得をした場合・・・家屋の登記事項証明書等(家屋に抵当権が設定されていることを明らかにする書類)
Q.控除は課税対象額から引かれるのですか?それとも直接税額から引かれるのですか?
所得税、住民税の税額から直接引かれます。
年末ローン残高が4,000万円で所得税が40万円の場合、4,000万円×1%=40万円で所得税から40万円が引かれ0円になり、会社員の場合は源泉徴収で引かれていた額が返金されることになります。
Q.長期優良住宅とはなんですか?
定義はこちらです。
『長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備に講じられた優良な住宅』
詳しくは以下の国土交通省のページをご覧ください。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html
Q.コロナの影響による税制改正ではいつまでに入居すればよいですか
2022年12月末までに入居すれば住宅ローン控除が3年延長されます。
契約自体は、新築注文住宅では2021年9月、マンションや中古住宅では2021年11月までにする必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
住宅ローン控除の制度は1度理解すれば難しくありません。
住宅ローン控除はお得な制度です。
そもそも住宅ローン自体が現状かなり低金利でお得です。
住宅ローンは年収の最大8倍まで借りられます。
なぜこんなに借りられるのか、国としては住宅ローンを借りてもらいたいという考えがあるからです。
裏を返すとサラリーマンというのは、会社に所属して、固定給を稼ぎ、国に税金をもってきてくれる大切な原動力だからです。
だからこそ優遇が受け、住宅購入を推進しているのです。
今後もマイホーム購入を検討している方に役立つ情報を発信していきます。
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