賃貸のトイレが故障したら修理費用は誰負担?トラブルの応急処置も解説
毎日使うトイレが故障すると、不便で生活に支障が出かねません。
トイレの不具合にも、つまる・水が止まらない・水が出ないなど、さまざまな症状があります。
症状ごとに解決法は異なりますが、賃貸物件ではどのような対処をすればよいのでしょうか。
この記事では、賃貸物件のトイレ故障時に何をすべきなのかを解説します。
修理費用について「大家さんが負担する場合」と「入居者が負担する場合」にわかれます。
正しい知識を身につけて、万が一の際の参考にしてみてください。
賃貸でトイレが故障したら最初にすべきこと
トイレが故障した場合、慌てずに対処することが大切です。
賃貸物件でトイレの不具合が判明したら、まずは以下の手順で対応してみてください。
まずは賃貸の契約書を確認する
賃貸でトイレの故障を修理する前に、まずは契約書を確認しましょう。
賃貸物件の設備が故障した場合の取り決めについて、賃貸契約書に記載されています。
具体的には、以下のポイントを押さえて確認してみてください。
- どこに連絡すればよいのか
- 自分で業者に連絡して修理しても大丈夫か
- 費用は誰が負担するのか
軽い症状であれば自分で直すことも可能ですが、不具合が悪化するおそれもあります。
賃貸物件に住んでいる場合は、契約書に記載されている指示に従いましょう。
管理会社に連絡して修理の対応してもらう
契約書を確認後、管理会社に報告をして修理などの対応をしてもらいます。
賃貸物件の管理会社に連絡する際は、以下の点について説明をするとスムーズです。
- いつ故障したのか
- なぜ故障したのか
- 現在はどのような状態なのか
トイレ故障の連絡を受けた管理会社は、すぐに修理の手配をしてくれるはずです。
賃貸のトイレが故障した場合の修理費用は誰負担?
水回りのトラブルは生活に支障が出るため、早く解決したいものです。
しかし、賃貸物件に住んでいる場合、修理費用は誰が負担するのでしょうか。
賃貸のトイレが故障した際、修理費用が「大家さん負担」と「入居者負担」になる2つのケースについて解説します。
経年劣化が原因の故障なら大家さんが負担
入居者にトイレ故障の原因がない場合、修理費用は大家さんが負担するのが原則です。
民法606条では、大家さんの修繕義務について以下のように定められています。
1.賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。2.賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。 |
無理な使い方をせず、経年劣化が原因で故障した場合は大家さん負担がほとんどです。
賃貸借契約書に「特約」の記載があれば入居者が負担
契約上、入居者が修理費用を負担する取り決めになっていることもあります。
賃貸借契約書に「修繕義務免除特約」と記載がある場合は注意が必要です。
修繕義務免除特約とは、故障などで修繕が必要になっても、大家さんに修繕義務が発生しない特別ルールのことです。
民法606条の修繕義務は任意規定であり、修繕義務の免除特約は有効となっています。
契約内容によっては入居者負担となるため、賃貸契約書の内容を確認しておきましょう。
入居者の故意・過失により故障した場合は入居者が負担
入居者の故意・過失により賃貸のトイレが故障することも少なくありません。
この場合、賃貸契約書に「特約」がなくても、修理費用は入居者負担となる場合がほとんどです。
管理会社に確認を取らず、入居者が勝手に修理依頼をした場合も自己負担となる可能性があります。
トイレが故障した場合は、とりあえず管理会社に連絡することが賢明です。
トイレの故障で修理にかかる費用相場
トイレの修理にかかる費用はある程度の相場が決まっています。
以下の作業別の相場表を参考に、複数の業者に見積もりを取るようにしてください。
トラブル内容 | 費用相場 |
トイレつまり(軽度) | 4,000~8,000円 |
トイレつまり(重度) | 10,000~20,000円 |
水漏れ(軽度) | 0~2,000円 |
水漏れ(部品交換) | 4,000~30,000円 |
水が出ない・溜まらない | 8,000~20,000円 |
水が止まらない | 8,000~16,000円 |
便器交換 | 20,000~12万円 |
ウォシュレット交換 | 30,000~50,000円 |
不具合の度合いによっては、自分で修理することも可能です。
ただし、知識ゼロの状態で修理を進めると、新たなトラブルや故障が出る可能性もあります。
絶対に無理はしないようにして、少しでもわからない箇所があれば業者に依頼しましょう。
賃貸のトイレの故障を直してくれない場合の対処法
トイレは毎日使うため、故障したらすぐに修理をしたいところです。
しかし、管理会社に連絡を入れたのにもかかわらず、対応が遅いという場合もあるかもしれません。
ここでは、賃貸のトイレの故障を直してくれない場合の対処法を解説します。
管理会社や大家さんに催促の連絡を入れる
まずは、管理会社もしくは大家さんに催促の連絡を入れてみてください。
電話連絡をする際は、緊急性をしっかりと伝えて、期限を決めて話をすることが大切です。
また、スムーズにやり取りをするためにも、管理会社の営業時間や営業日も確認しておきましょう。
休日や深夜・早朝などは時間外で対応が遅くなることもあります。
営業時間外なら24時間対応のサポートセンターに連絡する
管理会社が営業時間外の場合は、24時間対応のサポートセンターに連絡を入れる手段もあります。
緊急を要するトイレの故障にも対応してくれるサービスです。
一般的に料金がかかるサービスですが、大手の管理会社では無料で利用できるケースもあります。
加入が必須条件の場合もあれば、任意加入となっているところも少なくありません。
いざというときに助かるサービスのため、契約時に確認しておきましょう。
緊急の場合は自分でトイレの修理業者に依頼する
管理会社や大家さんに連絡が取れず、24時間対応のサポートセンターもない場合は、自分でトイレの修理業者に依頼しましょう。
「賃貸で勝手に修理業者に依頼したら、修理費用は自分持ちになるのでは?」と不安な気持ちになるかもしれません。
しかし、2020年に改正された民法607条の2では、以下のように定められています。
賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。1.賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。2.急迫の事情があるとき。 |
あくまで緊急を要する場合のみですが、入居者が自分で修理しても問題ありません。
原則として、大家さんに無断で修理依頼をすることは禁止されているため注意が必要です。
また、入居者が修理手配をした場合、民法608条に基づき大家さんに請求できます。
賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。 |
返金時のトラブルにならないよう、修理業者から受け取った領収書の保管は必須です。
賃貸でトイレトラブルが発生した際の応急処置
賃貸でトイレが故障したら管理会社への連絡は必須ですが、応急処置の仕方も覚えておきましょう。
ここでは、3つのトイレトラブルが発生した際の応急処置を解説します。
トイレの水がチョロチョロと止まらない場合は止水栓を閉める
トイレからチョロチョロと水が出ている場合は、水漏れの可能性があります。
少ない水量でも水道代はかかるため、放置するのではなく、水の流れを止めましょう。
水の元栓を閉めると家全体で水が使えなくなるため、トイレの止水栓を閉めるのがおすすめです。
止水栓は壁面もしくは床に設置されており、一般的にネジで固定されています。
ハンドルがない場合は、マイナスドライバーを使って時計回りに回すと水が止まります。
トイレのつまりにはスッポンを使う
トイレのつまりの原因によっては、スッポンで解消できることもあります。
自宅に常備している場合は、一度試してみるとつまりを直せるかもしれません。
スッポンの使い方で注意したいのが、スッポンはつまりを押し込むための道具ではないことです。
「ゆっくりと押し付けて、勢いよく引っ張る」ことを意識しましょう。
ウォシュレットから水漏れしたら電源プラグを抜く
ウォシュレットノズルから水漏れしている場合、漏電の危険もあるため、早めの対応が必要です。
トイレ内の止水栓を閉めたあとに、ウォシュレットの電源プラグを抜きましょう。
修理または交換が必要ですが、自分で判断するのではなく、知識を持った専門業者に相談することが大切です。
賃貸に住んでいる場合は、無断で交換をしないようにしてください。
まとめ
賃貸におけるトイレの故障に関する注意点は以下の2つです。
- 故障や不具合に気づいたら管理会社に連絡する
- 自分で勝手に修理の手配をしない
トイレのトラブルは自分で解決できることもありますが、対応を間違えれば新たなトラブルや故障につながりかねません。
故障の原因によっては費用負担が入居者にかかることもあるため、少しでもわからないことがあれば修理業者に依頼をしましょう。
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