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アパート経営の固定資産税を解説|計算方法や減税するための条件は?

こんにちは。
中山不動産株式会社です。

アパート経営者が納めなければならない税金に「固定資産税」があります。
アパート経営では税金について知っておかないと、あとから「税金や大きな出費で利益が赤字になってしまった」となりかねません。
アパート経営で収入を得るためには税金について知識を深めておくことが重要です。

この記事では土地や建物にかかる税金の中でも固定資産税を中心に説明します。 

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アパート経営の固定資産税に関する基礎知識

固定資産税は基本的にすべてのアパート経営者が納めなければならない税金です。
また、固定資産税はアパート経営で収益が出ていなくても納める必要があります。
ここでは、固定資産税について最低限知っておくべき基礎知識を解説します。

固定資産税とは土地や建物にかかる税金のこと

固定資産税とは、土地や建物を所有していると課税される税金です。

固定資産税は「不動産所有に対する税金」であり、収益の有無や空き家になっているかどうかなどは関係ありません。
土地や建物(固定資産)を所有していれば、その所有者は固定資産税を納めなければならないルールです。

  • 土地(田畑、宅地など)
  • 建物(戸建て、アパート、マンション、空き家など)

不動産を所有していれば居住の有無や収益の有無にかかわらず払わなければならないのが固定資産税という税金です。

アパートの固定資産税は誰が払うの?

アパートの固定資産税は毎年1月1日時点での所有者が納税します。

不動産の所有者とは、登記簿または固定資産税課税台帳に登録されている人のことです。
賃貸アパートの入居者は固定資産税を納める必要はありません。

ここで注意したいのが、不動産の所有者が変わった年です。
一般的に、不動産の買主と売主が所有した日数に応じて固定資産税をお互いに負担し合うのが慣例となっています。
売主と買主で固定資産税を分担することを「固定資産税清算金」と呼びます。

アパート経営の固定資産税は経費計上できる?

アパートを所有していると、収益状況に関係なく固定資産税を納めなければいけません。
不動産のオーナーである限り免れることのできない出費が固定資産税です。
そのため、固定資産税はアパート経営時の経費として計上することが認められています。

固定資産税の他には都市計画税なども経費への計上が可能です。

アパート経営でかかる固定資産税の計算方法

アパート経営でかかる固定資産税は3つのステップで計算します。

  • 固定資産税を評価する
  • 課税標準額を算出する
  • 課税標準額と税率を使って税額を計算する

3つのステップだけ見ると単純そうですが、実際の計算は複雑です。

固定資産税を詳細にシミュレーションしたい場合は税理士など専門家に相談することをおすすめします。

計算式は「固定資産税評価額×標準税率(1.4%)」

固定資産税を計算する際は、まずは不動産の課税標準額を求めなければいけません。
不動産は形や状態がそれぞれ違うため、その不動産に合わせて評価します。

たとえば、部屋数や建物の階数は同じでも、立地や状態などは異なることがほとんどです。
一見すれば類似物件でも、不動産ごとに固定資産税の評価額は違ってきます。

不動産の評価に合わせて課税標準額を算出し、次の計算式で固定資産税を算出します。

固定資産税評価額×標準税率(1.4%)

標準税率は基本的に1.4%ですが、自治体によって異なるケースもあります。
念のために確認しておくことをおすすめします。

土地と建物における固定資産税評価額の目安

固定資産税の評価額は課税明細書や固定資産課税台帳で確認できます。

この他に、公示価格や再建築価格などから大よその額の算出が可能です。

  • 土地は公示価格の約70%もしくは実勢価格の約80%
  • 建物は再建築価格の約70%
  • 新築の建物は工事請負契約の50~70%

アパートの建っている土地の公示価格500万円だとすると、350万円が大よその固定資産税評価額として計算されます。

ただし、実際の固定資産税の評価額はもっと複雑になっています。
固定資産税について不明点があれば税理士などの専門家に確認しておいたほうが安心です。

固定資産税が非課税となる免税点について 

不動産が免税点に該当する場合、固定資産税は非課税となります。

固定資産税の課税標準額が20万円未満の建物は免税点に該当するため課税の対象外です。
同じく、固定資産税の課税標準額が30万円未満の土地は免税点となり、課税されません。

ただし、同一市町村内に複数の不動産を所有しており、不動産の合計額が免税点である20万円や30万円を超える場合は税金がかかります。

アパート経営の固定資産税は軽減できる!4つの減税条件

税金が増えるとアパート経営者の利益が減るため、固定資産税は悩みの種です。
しかし、以下のような特例措置などを活用すれば、固定資産税の軽減が可能になります。

1.新築賃貸アパートの減税

新築であれば、3年ないしは5年間固定資産税を軽減してもらえる制度です。

  • 新築戸建ての場合:3年間で2分の1に減額
  • 新築マンションの場合:5年間で2分の1に減額

この減額制度を受けるためには、一定の要件を満たしている必要があります。
減額される住宅の要件は各自治体により異なり、横浜市の場合は以下のとおりです。

住宅の種類床面積
専用住宅50㎡以上280㎡以下
(一戸建て以外の貸家住宅は、40㎡以上280㎡以下)
併用住宅
(居住部分の割合が2分の1以上)
居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下
引用元:横浜市「新築住宅に係る固定資産税の減額制度

2.住宅用地に対する課税標準の特例 

住宅用地については負担を軽減する特例措置があります。
固定資産税は建物・土地のどちらも課税対象ですが、特例措置により土地の固定資産税が軽減されます。

住宅用地に対する特例措置では、土地の固定資産税を計算する際、

  • 小規模住宅用地 6分の1
  • 一般住宅用地 3分の1

住宅用地の種類によって上記の特例率を使います。

特例率を用いて固定資産税を算出することで、建物の建っている土地の固定資産税の負担が軽くなる仕組みです。

3.長期優良住宅化のリフォーム減税 

長期優良住宅化のリフォーム減税は、耐久性向上や省エネなど条件を満たすリフォームをおこなうことで、税金負担を軽減できる制度です。

長期優良住宅の認定を取得した場合、翌年分の固定資産税から3分の2が減額されます。
一定の耐震工事または一定の省エネ回収工事をおこなうことが条件です。

減額の適用を受けるためのおもな要件は以下のとおりです。

  • 長期優良住宅リフォーム後の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
  • 認定を受けた長期優良住宅建築等計画に基づく改修工事をおこなうこと
  • 耐震改修、省エネ改修工事費用の合計額が一定の金額を超えること

引用元:国土交通省「長期優良住宅化リフォームに関する特例措置

他にも、不動産取得税が減税されるなどさまざまなメリットが受けられます。

4.災害で被害を受けた際の減税措置

災害で不動産が被害を受けると修繕費などの負担が発生します。
アパートの場合は賃貸物件としての価値が下がり、収益にも大きく影響します。
そのため、支援策として災害で被害を受けた場合は2年ないしは4年間、固定資産税や都市計画税を軽減する制度があります。

災害で被害を受けた際の減免措置に関しては自治体ごとに条件や減税の割合が違うため注意が必要です。
静岡市を例に家屋の損害に関する要件と軽減の割合を見ていきましょう。

損害の程度軽減の割合または免除
全壊、流出、埋没等により家屋の原形をとどめないとき、又は復旧不能のとき。免除
主要構造部分が著しく損傷し、大修理を必要とする場合で、当該家屋の価格の10分の6以上の価値を減じたと認められるとき。10分の8
屋根、内壁、外壁、建具等に損傷を受け、居住又は利用目的を著しく損じた場合で、当該家屋の価格の10分の4以上10分の6未満の価値を減じたと認められるとき。10分の6
下壁、畳等に損傷を受け、居住又は使用目的を損じ、修理又は取替えを必要とする場合で、当該家屋の価格の10分の2以上10分の4未満の価値を減じたと認められるとき。10分の4
引用元:静岡市「固定資産税・都市計画税の減免について

アパート経営の固定資産税に関する注意点

アパート経営の固定資産税で注意したいポイントは2つあります。

固定資産税の支払期日を過ぎると延滞金が発生する 

固定資産税は決められた期日までに納めなければいけません。
支払期日が過ぎてしまうと延滞金が発生するため注意が必要です。

延滞金は払うべきものを期日までに払わなかったことへのペナルティになります。
延滞金が発生すると支払額が増えてしまうため、税金負担が増えてしまいます。
額を増やさないためにも固定資産税の支払期日には注意してください。

特定空き家に認定されると減税の対象外となる

土地に建物が建っていると、土地の固定資産税が優遇されている状態です。
しかし、特定空き家に認定されると土地の固定資産税の負担を軽減してもらえなくなります。

特定空き家とは「そのまま放置しておくと倒壊などのリスクがある空き家」のことです。
周辺にリスクや影響があるような極めて管理状態の悪い不動産を指しています。

たとえば、経営しているアパートが全室空き家で、倒壊しそうな状態だとします。
このまま放置すれば、倒壊や近隣の景観、衛生環境への影響などが考えられます。
特定空き家の対象になるか、今後どうすべきかなども含め、不動産会社に相談したほうがよいでしょう。

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まとめ

固定資産税は不動産を所有していれば納めなければならない税金です。

アパート経営者は税金が増えると収益が減るため、不動産運用に関する基本的な税金は知っておいたほうがよいでしょう。
そのうえで、

  • アパート経営の負担をどのように抑えるか
  • 税金対策をどうするか
  • どうやって収益をアップさせるか
  • アパートを今後どうするか(売却時期など)

 を考える必要があるのではないでしょうか。

アパート経営の課題解決なら当社が力になります。
アパート経営で困ったことや分からないこと、悩んでいることがあれば中山不動産に相談してください。

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