【2021年】10月4日は都市景観の日!具体的な活動と由来について
こんにちは。
中山不動産株式会社です。
毎年10月4日は都市景観の日です。
普段意識することは少ない日ですが、都市景観の保全や改善など、景観への意識を啓蒙する記念日となっています。
都市景観に関しては、特にヨーロッパ諸国の意識が高いといわれていますが、日本も「都市景観の日」の活動により、美しい景観を維持しています。
そこで今回は、都市景観の日の概要や具体的な取り組み内容を解説します。
日本の都市景観に対する姿勢や活動を知ることができるため、興味のある方はぜひご覧ください。
都市景観の日ってなに?
「都市景観の日」という記念日をご存知ですか。
祝日などではないため、知らない方もいるでしょう。
都市景観の日は、都市の景観を守る上で大切な記念日です。
ここでは、都市景観の日の概要や取り組み内容などを解説します。
景観の良い地区を表彰する
都市景観に対する国民の意識啓発を目的としています。
平成2年に毎年10月4日を「都市景観の日」に定め、人・人工物・自然の調和を伝える取り組みをおこなっています。
具体的な活動として、景観の良い地区を表彰する取り組みがあります。
現在では「都市景観大賞」として「都市空間部門」と「景観まちづくり活動・教育部門」から表彰地区を選出しています。
過去には「都市景観100選」や「美しいまちなみ賞」などもあり、時代とともに変化してきた文化です。
なぜ10月4日?
都市景観の日は毎年10月4日に定められていますが、なぜ10月4日なのでしょうか。
その由来は「と(10)し(4)」(都市)と読む語呂合わせで決められました。
あまり馴染みのない記念日ですが、その由来は至ってシンプルで覚えやくなっています。
都市景観大賞の実施
都市景観の日は平成2年に国土交通省により制定され、現在に至るまでさまざまな催し物が各地でおこなわれてきました。
そのなかでも代表的な「都市景観大賞」では、時代ごとに表彰する部門やタイトルが変わり、「都市景観100選」や「美しいまちなみ賞」といった賞が存在していました。
では、過去の賞は現在の都市景観大賞と何が違うのでしょうか。
それぞれの賞の概要を解説していきます。
都市景観100選【平成3年~】
都市景観100選は、平成3年度〜平成12年度まで実施されていました。
その内容は、都市空間の中にある素晴らしい工夫や配慮、デザインに目を向け、都市環境において高い水準の地区を選び表彰するというものです。
選定の基準には歴史・文化的な価値に限らず、生活空間としての工夫なども含まれており、住みやすい街を知る上で参考になるといった側面もありました。
愛知県内にも都市景観100選に選ばれた地区があります。
平成5年度の「名古屋市久屋大通地区」や、平成12年度の「犬山市犬山城下町木曽川河畔地区」などです。
平成12年度で終了しましたが、「都市景観の日」の歴史の始まりを飾る重要なイベントです。
美しいまちなみ賞【平成13年~】
平成13年度〜平成22年度まで実施されていたのが「美しいまちなみ賞」です。
選出の基準として、民間と行政が協力し合い、ハード(公園整備や電線地中化など)とソフト(住民による地域保全のパトロールなど)の両面から総合的な取り組みをおこなう地区が表彰されました。
また、大賞(国土交通大臣賞)の「美しいまちなみ大賞」の他にも、優秀賞や特別賞が受賞されました。
この美しいまちなみ賞を経て、次に紹介する現在の都市景観大賞に変化していきます。
現在の都市景観大賞
平成22年度に「美しいまちなみ賞」が終了し、翌年度から今もなお続く「都市景観大賞」が始まりました。
現在の都市景観大賞は以下の二つの部門から構成されています。
- 都市空間部門
公共的空間と建物等が一体となった優れた都市景観を創った上で、市民に十分活用されている地区を対象とした部門 - 景観まちづくり活動・教育発部門
地域に関わる方が景観に関心を持ち、課題を自らのものとして解決に向けて行動できるような意識啓発や知識の普及、景観制度を活用した取り組みなどの活動を対象にした部門
こちらも「美しいまちなみ賞」と同様に、二つの部門で「大賞」「特別賞」「優秀賞」が選出されました。
景観法による地域支援
景観法とは、都市はもちろん、農村や漁村の良好な景観の形成を促進するための法律であり、平成16年6月に制定されました。
景観に関する法律は日本では初となり、景観に関する基本理念や国がおこなう責務をはじめ、さまざまな規制や景観整備機構による支援などが定められました。
愛知県では、景観に関する計画の策定や、景観施策を積極的におこなっています。
ここでは、その前提知識となる「景観行政団体」について解説した後に、愛知県の景観行政団体を紹介します。
景観行政団体
景観行政団体は地域における景観行政を担う団体のことで、景観法によってさまざまな施策を実施しています。
景観計画を策定することができ、景観計画区域に指定された区域では、開発・建造における設計や施行方法を提出する義務が発生します。
これまで景観行政は、都道府県、市町村がそれぞれ自主的におこなっていましたが、それでは双方が重複して行政をおこなう恐れがありました。
そのため、いずれかが景観行政団体として、景観行政を一任されることにした、という経緯があります。
愛知県の景観行政団体
愛知県の景観行政団体は、2021年(令和3年)4月1日現在16市町です。
また、愛知県では美しい愛知づくりを推進するため市町村の役割を重要とし、市町村が景観法に基づく景観行政団体となっています。
そして、景観に関する計画の策定、景観施策などを推進するため、市町村に対する情報提供や技術的助言などの支援活動をおこなっています。
以下は各市町村の景観法施行日と景観計画の策定です。
市町村 | 景観法施行日 | 景観計画の策定 |
名古屋市 | (2004(H16)年12月) | 名古屋市景観計画 (2007(H19)年 3月) |
豊橋市 | (2004(H16)年12月) | 豊橋市景観計画 (2021(R3) 年 4月) |
岡崎市 | (2004(H16)年12月) | 岡崎市景観計画 (2012(H24)年 2月) |
豊田市 | (2004(H16)年12月) | 豊田市景観計画 (2008(H20)年 3月) |
犬山市 | (2005(H17)年 3月) | 犬山市景観計画 (2008(H20)年 4月) |
長久手市 | (2005(H17)年 9月) | 長久手市景観計画(2021(R3) 年 1月) |
瀬戸市 | (2007(H19)年11月) | 瀬戸市景観計画 (2010(H22)年10月) |
半田氏 | (2008(H20)年 5月) | 半田市ふるさと景観計画 (2010(H22)年 7月) |
常滑市 | (2008(H20)年 8月) | 常滑市やきもの散歩道地区景観計画 (2010(H22)年 4月) |
一宮市 | (2008(H20)年11月) | 一宮市景観計画 (2021(R3) 年 4月) |
みよし市 | (2010(H22)年 9月) | みよし市みどりと景観計画 (2011(H23)年 4月) |
碧南市 | (2011(H23)年 2月) | ー |
春日井市 | (2011(H23)年 7月) | ー |
東浦町 | (2012(H24)年12月) | 東浦町景観計画 (2016(H28)年 4月) |
田原市 | (2013(H25)年 8月) | ー |
蒲郡市 | (2017(H29)年 6月) | 蒲郡市景観計画 (2019(H31)年 4月) |
愛知県の具体的な取り組み
愛知県では、景観行政団体となる市町村が景観施策がおこなわれています。
具体的な取り組みとして「美しい愛知づくり基本方針」の策定や「愛知まちなみ建築賞」などが挙げられ、都市景観の維持・改善に役立っています。
ここでは、その具体的な取り組み内容の詳細を解説します。
「美しい愛知づくり基本方針」を策定
愛知県では、県内の景観形成に関する基本的な考え方を示す「美しい愛知づくり基本方針」を2006年(平成18年)に策定しました。
その基本方針として、景観の価値をあらためて認識して共通の財産として守り、自然・歴史・生活・産業の各分野の特性の把握と、住民・事業者・NPOなどの多様な主体の参加により持続的な取り組みをおこなうというものです。
また、基本目標として以下の四つを挙げています。
- 多様な生物が共存する「自然景観」
- 武家文化や近代化遺産が伝える「歴史景観」
- 心の豊かさを映し出す「生活景観」
- 「モノづくり」の活力が創り出す「産業景観」
以上を目標に活動しています。
また同年には「美しい愛知づくり条例」、翌年2007年には「美しい愛知づくり基本計画」が策定され、魅力ある地域づくりに対する指針がより一層定められました。
愛知まちなみ建築賞
「愛知まちなみ建築賞」は1993年度から毎年実施されている歴史ある賞です。
その目的は、良好なまちなみ景観の形成や、潤いあるまちづくりに寄与するなどの良好な地域環境の形成に貢献していると認められる建築物や、まちなみを表彰することで、建築物及びまちづくりに果たす意義や役割を啓発し、魅力ある地域の形成を図ることです。
応募は一般公募しており、次のような選考基準を持っています。
- 地域における新しい建築文化の創造に寄与しているもの
- 地域のまちなみに調和し、魅力的な景観の形成に寄与しているもの
- 魅力と潤いのある空間の創造に寄与しているもの
- その他、本賞の趣旨に適合し、地域に貢献しているもの
愛知まちなみ建築賞の受賞作品発表は、毎年1月頃に実施予定です。
まとめ
都市景観の日は、都市における景観の見直しや、人々の景観に対する意識の向上を目的としています。
日本都市の美しい景観を保つ要因となっているため、意義のある日といえます。
都市景観の日をきっかけに、関連行事も各地で開催されているため、興味のある方は注目してみてください。
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