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高齢富裕層に人気の「不動産小口化商品」、10年で8倍の成長

不動産小口化商品とは、建物の所有権を小口に分割して購入できる投資商品で、相続税の節税を

目的とした高齢富裕層を中心に需要が拡大しています。

国土交通省によると、2023年度の「任意組合型」不動産小口化商品の出資額は558億円に達し、

この10年間で8.5倍の成長を見せました。

SBIマネープラザが今年9月から運用を開始した東京・平河町のオフィスビル(中央)。
1口100万円で、10口(1千万円)以上から買える「不動産小口信託受益権」として売り出し、約70億円を集めた(朝日新聞)

節税を目的とした投資の一例

東京都に住む80代の女性は、墨田区の賃貸マンションに設定された不動産小口化商品に6,000万円

投資しました。

これは、3人の娘への相続税負担を軽減するための手段です。

女性は2年前に夫を亡くし、1億2,000万円の現金と自宅を相続しました。税理士のアドバイスに基づき、

賃貸マンションの「不動産小口化商品」を購入することで、資産を不動産に変換し、相続税の評価額を

抑えることに成功しました。


節税の仕組みと効果

この女性が購入した物件は、1口100万円の1345口に分割されており、彼女は**60口(計6,000万円)**を取得。

相続税の計算において、不動産は「路線価」や「固定資産税評価額」で評価されるため、

時価よりも低い評価額になります。

  • 6,000万円の持ち分 → 約1,800万円として評価
  • 相続税 → 約70万円に抑制
  • 現金のまま保持 → 約470万円の相続税

このように、不動産に置き換えるだけで相続税が約7分の1に圧縮されるという大きな節税効果が得られました。


需要拡大の背景とリスク

不動産小口化商品の需要は、2015年の相続税法改正に伴い急増しました。この法改正により、

相続税の課税対象者が増え、節税ニーズが高まったことが主な要因です。

これまでは「タワーマンション節税」が人気でしたが、24年以降は行き過ぎた節税を防ぐため、

評価額の算出方法が見直されたことも、小口化商品の人気を後押ししています。


投資商品としてのリスク

ただし、こうした商品には投資リスクも伴います。市況の変動により元本割れする可能性があるほか、

賃貸物件の空室や価格の下落も懸念材料です。商品を販売する業者は、国土交通省の許可を受けた

信頼性のある業者である必要があります。

購入を検討する際は、賃料相場や空室率の確認、業者の信用性のチェックが欠かせません。


不動産小口化商品は、資産運用をしながら相続税を節税するための有効な手段として注目されていますが、

投資商品である以上、リスク管理を怠らず、慎重な判断が求められます。

引用・詳細はこちら「ヤフーニュース

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