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TSMCの進出が活性化させた熊本県菊陽町の不動産市場

2022年に世界最大の半導体メーカーであるTSMCが熊本県菊陽町に工場を設立して以来、地域の不動産市場が活性化しています。

もともと全国屈指の人口増加率を誇る菊陽町は、TSMCの影響を受け、近隣の大津町や合志市などにも

ポジティブな影響を及ぼしています。

不動産業界の関係者たちは、この動向を注視しています。

地価と賃料の上昇

TSMCの進出に伴い、菊陽町および周辺地域の地価は大幅に上昇しました。2024年の公示地価を2021年と比較すると、

熊本県全体の平均は9.6%上昇したのに対し、菊陽町は40.8%、大津町は20.4%、合志市は21.1%の上昇を記録しました。

不動産情報サービスを提供するアットホーム株式会社が調査した賃料動向によれば、菊陽町周辺(菊陽町、大津町、合志市)の

賃料は全物件タイプで上昇しています。菊陽町では、30㎡以下の単身者向け賃貸マンションが49,900円(23.6%増)、

ファミリー向け物件が81,429円(23.1%増)となりました。また、大津町では単身者向け物件が36.7%、

合志市では16.0%の賃料上昇が見られました。一方、同期間中の熊本市内の単身者向け賃料はわずか0.8%の上昇に留まっています。

 

法人契約の増加

現地不動産会社であるコスギ不動産株式会社のリーシング部門は、法人契約が市場を牽引していると指摘します。

「従来、法人と個人の契約比率は5:5でしたが、現在では法人契約が約7割を占めています」と、

光の森支店長の田中氏は述べています。新築や築10年以内の物件はほぼ空室がなく、需要が非常に高い状況です。

また、法人契約の増加に伴い、賃料も上昇しています。以前は4万円台だったワンルーム物件の賃料が5万円台に上がり、

退去後に賃料を2万円引き上げて契約が成立した例もあります。新築ワンルームは5万5,000円以上で設定され、

建築費の高騰も賃料の上昇に影響していますが、それでも需要が堅調です。

 

売買市場も活況

売買市場も大きな盛り上がりを見せています。特に菊陽町と合志市は、住みやすさと子育て環境の良さから、

安定した需要を維持してきました。TSMCの進出によりその需要がさらに加速しています。

菊陽町中心部の光の森エリアでは、かつて60坪の土地が約1,200万円で取引されていたのに対し、

現在は1,500万円以上で取引されています。同様に、大津町では1,000万円未満だった土地が現在では約1,500万円に

まで上昇しています。

事業用地の価格も、平米単価が2〜3倍に上がるケースが出ています。

 

外国人投資家の関心増加

中古住宅市場では、価格上昇により「売り時」を迎えており、特に台湾をはじめとする外国人からの購入需要が増加しています。

購入された一戸建て住宅が高額な賃料で外国人に貸し出されるケースも増えています。台湾、韓国、シンガポールなどからの

投資家が増え、購入価格約3,000万円の住宅を月20万〜25万円で賃貸する事例も報告されています。

 

今後の展望

TSMCの進出に伴い、熊本県菊陽町とその周辺地域の不動産市場は引き続き活発化することが期待されています。

住宅需要だけでなく、事業用地への問い合わせも増加しており、地域全体の経済活性化につながると考えられています。

 

引用・詳細はこちら「R.E.port

 

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