公益社団法人全日本不動産協会(全日)の政治母体である全日本不動産政治連盟(日政連)は、
11月29日に衆議院第二議員会館(東京都千代田区)で総会を開催し、令和7年度税制改正および政策に関する要望を決定しました。
この総会は、2014年に自民党内で発足した「全日本不動産政策推進議員連盟」(以下、全日議連)との連携を強化する目的で開催されました。
日政連会長の中村氏
挨拶と要望内容
総会の冒頭で、全日議連会長を務める野田聖子衆議院議員は、「不動産業界は日本の主要ビジネスとして、
昭和の時代には想定されていなかった課題に直面しているが、それらの解決に引き続き貢献してほしい」と述べました。
また、日政連会長の中村裕昌氏は、「空き家や既存住宅の流通促進に関する税制の特例措置について延長を強く要望する」と発言。
さらに、住宅価格の高騰と金利上昇に伴い、住宅ローン負担軽減措置の必要性を訴えました。
要望の主な内容
1. 税制改正要望(7項目)
- 税制特例措置の延長と拡充:不動産取得税の特例措置の継続と金利上昇に伴う軽減措置の導入。
- 震災復興税制の創設:熊本地震時の税制措置を参考に、能登半島地震への対応策を求める。
- 既存住宅リフォームの消費税非課税化。
- 登録免許税の廃止。
- 二地域居住推進のための住宅ローン控除や特例措置の創設。
- 住宅ローン控除要件の緩和と恒久化。
- 印紙税の見直し。
2. 政策要望(7項目)
- 低未利用土地対策の推進。
- 成年後見制度の見直し:不動産取引での活用促進を図る。
- 既存物件の価値見直し:ストック型社会の実現に向けて。
- 登記情報のデータ活用促進。
- 農地法の見直し:農地を含む不動産流通の円滑化を目指す。
- 宅建業免許申請の標準処理期間設定。
- 宅建業免許の承継制度の整備。
今後の展開
日政連は、全日議連を通じてこれらの要望を政府や関係機関に陳情し、不動産業界の課題解決に向けた活動を積極的に進める予定です。
特に、空き家問題や既存住宅流通の促進に関する法整備に重点を置くとしています。
このような取り組みは、不動産市場の活性化だけでなく、地域社会の発展にも寄与することが期待されています。
引用・詳細はこちら「R.E.port」