【保存版】意外に多い再建築不可物件 活用方法のポイントも解説
こんにちは。
中山不動産株式会社です。
住宅の購入を検討して不動産物件の資料を見ていて、「再建築不可」という表示を見つけたことがある方は多いと思います。
相場より安い物件が多いようですが、すぐに飛びついてしまうのは危険です。
今回は再建築不可物件を購入するメリット・デメリット、およびその活用方法について説明します。
再建築不可物件を見つけたときに、どのようなポイントを検討していくべきかについて理解が深まると思います
再建築不可物件とは
再建築不可物件とは、敷地上に現存している建物を取り壊した場合、その土地に新しい建物を建築できない物件のことをいいます。
理由は、自治体ごとの条例に基づく場合もありますが、建築基準法第43条の接道義務を満たさない物件であるケースが多いです。
接道義務とは
接道義務とは、幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地には建物を建ててはならないというルールのことをいいます。
これは、救急車や消防車などの緊急車両がスムーズに入れないようなところには建物を建てない方がよいとの判断によるもので、昭和25年の建築基準法の制定の際に盛り込まれました。
もっとも、昭和25年当時にすでに建築されていた建物については例外条項も設けられたために、当時の建物が接道義務を充たさないまま存続している場合があります。このような物件が再建築不可物件となります。
名古屋市の再建築不可物件
内閣府統計局の調査によると、名古屋市の住宅数の総数は1,234,600戸、そのうち敷地が幅員4m未満の道路に接している住戸は159,000戸、敷地が道路に接していない住戸(無道路地)は13,700戸ありました。
したがって、接道義務を充たしていないことが疑われる住戸が172,700戸あり、これは全体の14.0%にあたります。
実際には、敷地が接する道路が4m以上であっても接道部分が2m未満の住戸も存在するため、もう少し多い割合になります。
再建築不可物件が意外にも多いことに気づいたことでしょう。
なぜ再建築不可物件を購入するのか
再建築不可物件は法律上の要件を充たしていないのですから、危険な物件のようにも思えます。
しかし、再建築不可物件を選んで購入する方も中にはいます。
それは次のような理由によるものです。
再建築不可物件を購入するメリット
- 物件価格が安い
まず、再建築不可物件は周辺の相場に比べて格段に安いということが挙げられます。
再建築不可物件の多くは昭和初期に建てられた物件であることから建物の価値はほとんどありません。
また、土地についても、接道している道路が広いか、間口(敷地が道路に接している部分)は広いか、土地は角地か、など接道に関する事項は土地の値段を大きく左右します。
旗竿地のような土地で2m以上の接道がない、もしくは前面道路が非常に狭い、などの事項はいずれも土地の価値を判断する際にマイナスとなる材料です。 - 固定資産税や相続税が安い
再建築不可物件は、建物の評価額が極端に低く、また敷地の評価額についても周りの土地に比べて低くなっています。
そのため、固定資産税はもちろん、相続税についても安くなる傾向があります。
再建築不可物件を購入するデメリット
- 住宅ローンが受けられない
再建築不可物件については、ほぼすべての金融機関について、住宅ローンを取り扱っていません。
住宅ローンとして融資を行う際には土地建物に抵当権を設定しますが、万が一返済が滞って抵当権を実行することになっても、すぐに換金できるかが不透明だからです。
そのため、購入する際には、他の所有物件を担保に入れたりするほかは、全額自己資金で購入しなければなりません。 - 売却しようとしても買い手がつかない
住宅ローンが受けられないことにも関連しますが、転勤や親の介護など突発的な事情で住宅を売却しなければならないことになっても、買い手がなかなかつかないことが多いようです。 - 維持費用が高い
再建築不可物件は古い家が多いために、建物の構造部分や水回りなどの付属的な設備についてもかなり古い場合が多くなっています。
そのため、建物を維持管理する費用は一般の物件よりもかなり高額になることを覚悟した方がよいでしょう。
再建築不可物件の活用方法
それでも、立地が風情のある場所であったり、建物に趣が感じられたりする物件などに出会うと、何とか活用して住んでみたいと思うこともあるでしょう。
実際に再建築不可物件を購入した人はどのように物件を活用しているのでしょうか。
リフォームをして活用する
再建築不可物件を購入する人の多くは、リフォームをして活用することを考えます。
再建築不可物件は市場価格より安いために、リフォームに多くの予算を充てられるからです。
この場合、間取りの変更、水回りの設備の交換、断熱性や耐震性を高めるリフォームなどを考えながら購入を検討します。
一方で、増改築を伴うような大規模なリフォームについては建築確認が必要となるためにできません。
救済措置を考える
再建築不可物件であっても、将来にわたって全く建物が建てられないわけではありません。
接道義務を充たすようにすれば建物を建てられる場合がありますし、例外規定もあります。
再建築不可物件を一般の土地同様に建物を建築できるようにするには、以下の3つの方法があります。
- 隣地を購入して接道義務を充たすようにする
前面道路が4m以上あるにもかかわらず、旗竿地で道路に接している長さが2mに満たない場合は、足りない分について隣地を購入することで解決できる場合があります。
隣地所有者の協力がなければ難しいですが、このような旗竿地の場合には、長年自宅がある敷地に入るために通行していたために隣地部分との境目があいまいになっているケースもあるのです。
そのような場合には、隣地所有者との交渉がスムーズにいく場合もありますので、不動産屋に相談してみるのも一つの手段です。 - 位置指定道路の認定を受ける
位置指定道路とは、公的な道路ではありませんが、行政庁から道路の指定を受けた道路です。
広い土地を数区画に分けて分譲する場合、土地の中に道路を造ることがありますが、このような道路は位置指定道路の認定を受けることがしばしばあります。
再建築不可物件の場合でも、私道でありながら一般の道路と全く同様に利用されている実態が認められる場合には、位置指定道路の認定が可能である場合があります。
申請先の行政庁は自治体によって異なりますが、市役所の担当部署や土木事務所であることが多いです。 - 建築基準法第43条但書要件を充たすようにする
建築基準法第43条但書には以下の要件が記載されています
- 敷地の周囲に広い空地がある。
- 特定行政庁(地方自治体)が交通上・安全上・防火及び衛生上支障がないと認める。
- 建築審査会の許可がある。
この要件をすべて満たす場合には、接道義務の例外として再建築が可能となります。
まずは、行政庁に相談することから手続きがスタートしますが、専門的な事項が多いために不動産屋や土地家屋調査士などの専門家に一度相談してみることをお勧めします。
再建築不可物件の購入を考えるときは専門家に相談
再建築不可物件はどちらかといえば不動産のプロ向けの物件です。
購入する場合には綿密な調査が必要です。
不動産業者、土地家屋調査士、一級建築士などの専門家と相談しながら、購入を検討することが必要になってくるでしょう。
趣深い古民家をリフォームして楽しみたいのであれば、再建築不可物件も視野に入れて物件探しをすれば、思わぬ掘り出し物に出会えるかもしれません。
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