オーナーチェンジ物件とは?後悔しないために知っておきべきこと
こんにちは。
中山不動産株式会社です。
不動産投資の初心者を中心に人気のオーナーチェンジ物件ですが、「儲かる物件なの?」「リスクはないの?」など、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。
入居者がいるためすぐに家賃収入を得ることができます。
しかし、さまざまなデメリットやトラブルもあるため注意が必要です。
そこで今回は、オーナーチェンジ物件とはどのような特徴があるのかだけでなく、これから購入を検討中の方が知っておきたい知識を詳しく解説します。
オーナーチェンジ物件とは?
投資用物件を購入する際、「オーナーチェンジ」という選択肢があります。
これは、入居者との賃貸契約は引き継がれ、オーナーのみが変わることを意味します。
また、オーナーチェンジ物件とは、入居者がいる状態で売買される物件のことです。
オーナーチェンジ物件の売買については、借地借家法に以下の記載があります。
「建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる」
引用元:借地借家法第31条
まずは、オーナーチェンジ物件で「引き継がれる権利」と「引き継がれる義務」について確認していきましょう。
引き継がれる3つの権利
オーナーチェンジでは、入居者と賃貸契約が結ばれた状態の物件を購入します。
この賃貸契約はオーナーチェンジ後も、新オーナーに引き継がれます。
新オーナーに引き継がれる権利は以下の3つです。
- オーナーが賃料を受け取る権利
- 契約終了時に建物が返還される権利
- 契約終了時に入居者に建物を原状回復してもらう権利
引き継がれる3つの義務
また、権利が引き継がれることで、賃貸契約における義務も引き継がれます。
新オーナーに引き継がれる義務は以下の3つです。
- 建物を入居者に使わせる義務
- 建物を修繕する義務
- 入居者の退去時に敷金を返還する義務
これらの契約はオーナーチェンジを理由に解約・変更ができません。
ほかの賃貸契約と同様に、契約内容の解約・変更には正当な理由が必要です。
オーナーチェンジ物件をなぜ売るの?
投資運用の資産であるオーナーチェンジ物件をなぜ売るのでしょうか。
具体的には、以下のような理由が挙げられます。
ほかの収益物件に買い替えるため
入居者がいるため家賃収入が見込める物件であるにもかかわらず売却する理由として、さらに家賃収入が期待できる収益物件に買い替えるためです。
不動産投資には、物件を売却して売却益を得るキャピタルゲインがあります。
この売却益を元手に新たに収益物件を購入することも戦略の一つです。
利回りが悪く収益があがらないため
オーナーチェンジする理由は、ポジティブなものとは限りません。
たとえば、投資計画や収益予測が甘かったことなどが原因で、利回りが悪く収益が期待していたほど収益が上がらないことを理由に売却されることもあります。
同じ失敗を繰り返さないためにも、しっかりとしたシミュレーションが大切です。
入居者の賃貸契約満了が近いため
入居者がいる状態で売却されるオーナーチェンジ物件ですが、入居者の賃貸契約満了が近いことを理由に手放される物件も少なくありません。
退去の場合は入居者を募集しなければならず、広告費や手間といった負担を避けるために、「入居者がいるうちに売却しよう」となるケースもあります。
購入前に入居者の契約満了日は事前に確認してください。
サブリースの契約更新で条件が悪くなるため
サブリースとは、サブリース会社が賃貸住宅を一括で借り上げて、入居者へ貸し出します。
不動産経営で懸念される空室リスクを回避するための手段の一つです。
サブリース契約をすると、満室賃料の80~85%程度の賃料が固定で入ってきます。
空室時におけるリスクを考慮して、サブリース契約を利用するオーナーは少なくありませんが、契約更新のタイミングで条件が悪くなることも。
家賃が下がったり、修繕積立金が下がったりした場合、投資計画が思うように進まないことを理由に、オーナーチェンジ物件として売却されるケースがあります。
大規模な修繕時期が近いため
新築でも中古でも、ある程度の時間が立てば修繕が必要になります。
排管の交換、外壁や屋根の塗装、室内のリフォーム、エアコンや給湯器の取り替えなど、あらゆる修繕リスクに向けて準備しておかなければなりません。
ただし、大規模な修繕はオーナーにとっても避けたいところでしょう。
そのため、このタイミングでオーナーチェンジ物件として手放すケースもあります。
ローン返済が難しくなったため
不動産投資でローン返済できなくなるということもあるでしょう。
キャッシュフローがマイナスになるなど不動産経営で失敗したパターンだけでなく、病気やケガなどを理由にローンの返済が難しくなるといったこともあります。
このようなケースでは、投資用物件を売却してローンの返済に充てる人もいます。
オーナーチェンジ物件を購入する3つのメリット
オーナーチェンジ物件は売却理由によってはリスクを伴い注意が必要です。
しかし、オーナーチェンジ物件を購入することで3つのメリットが得られます。
初心者でも始めやすい
オーナーチェンジ物件は初心者でも始めやすいと言えます。
不動産投資は物件を購入して入居者が決まれば一定の家賃収入を得ることができるものの、以下のようなステップを踏んで、初めて不動産経営がスタートします。
- 立地の検証
- 適切な家賃の設定
- 賃貸借契約内容の検討
- 入居者募集の依頼
- 入居希望者のの審査
これらは、不動産投資の初心者にとってハードルが高い作業です。
その一方で、オーナーチェンジ物件なら最初から入居者がいるため、これらのステップを踏む必要がなく、時間や手間を大幅に削減することができます。
また、初期費用を安く抑えられるのもメリットの一つと言えるでしょう。
下記関連記事では、不動産投資の流れと、運用するうえで重要なランニングコストを解説しています。
すぐに家賃収入を得られる
入居者がすでにいるため、購入後すぐに家賃収入を得られます。
一般的な物件では購入後に入居者の募集をしなければならず、入居者が決まるまでは収入がゼロになるだけでなく、正確な収支計画を立てるのも難しいでしょう。
オーナーチェンジ物件は最初から安定した収入が見込めるのがメリットです。
金融機関からの融資を受けやすい
収支計画が立てやすいため、融資審査に通る可能性も高まります。
投資用物件の場合は家賃収入でローンの返済を前提としていることから、ローン審査では年収や年齢などの属性だけでなく、物件の収益性も重視されます。
オーナーチェンジ物件は、収益面から金融機関の評価が高くなると言えるでしょう。
オーナーチェンジ物件を購入する3つのデメリット
オーナーチェンジ物件を購入した人のなかには「後悔した」という人もいます。
以下のデメリットをしっかりと把握して、大きな損をしないように準備しましょう。
入居者がいるため部屋を確認できない
すでに入居者がいるため、購入前に部屋の状況を把握しにくくなっています。
一般的な投資用物件であれば、事前に建物の設備や周辺環境を調査するだけでなく、内見をして室内の設備がどうなっているのかなどの確認が可能です。
しかし、オーナーチェンジ物件では、プライバシーの問題から内見は難しいでしょう。
外観や書類上でしか建物の状況を把握できない可能性が高く、購入後に修繕やリフォームの必要性が判明するなどのトラブルが起こるケースもあります。
入居者を選ぶことができない
入居者がどんな人であるかは、オーナーにとって大きな関心事項です。
一般的な不動産経営では入居者を募集する際に審査をおこないますが、すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件ではそれができません。
入居者に問題があるなどのリスクを伴う可能性もあります。
家賃の支払いが頻繁に遅れていたり、入居者同士で何かしらのトラブルを抱えていたりなど、これらの属性を事前に把握することは難しいでしょう。
そのため、入居者を選ぶことができないのは大きなデメリットと言えます。
空室リスクがゼロではない
オーナーチェンジ物件を購入する目的として空室リスクの軽減もあるでしょう。
すでに入居者がいるため、購入後すぐに家賃収入が得られるなど安定した不動産経営ができると思われがちですが、空室リスクがゼロであるとは限りません。
たとえば、入居者の賃貸契約満了が近く、退去してしまうことも。
また、オーナーチェンジ物件のなかには、利回りが高い物件に見せかけるため、満室であることを装った「サクラ」の入居者がいる悪質なケースもあり注意が必要です。
危険がいっぱい?オーナーチェンジ物件のトラブル事例
オーナーチェンジ物件の購入でトラブルに巻き込まれることもあります。
過去に起きた事例を確認するとともに、対策もしっかりと考えることが大切です。
入居者がサクラだった
悪質な不動産会社の場合、サクラの入居者を住まわせることも。
空室率が低く収益性の高い物件だと思わせることを目的に、不動産会社の社員や関係者が一時的にマンションの住人となり、満室にしているというケースです。
しかし、いざ購入すると退去するため、家賃収入がなくなる可能性があります。
すぐに修繕工事が必要だった
オーナーチェンジ物件には、隠れた瑕疵が潜んでいることも。
すでに入居者がいるため内見できないというデメリットがありますが、退去時に大きな修繕箇所が判明し、想定外の出費を強いられるというリスクです。
修繕費が増えることで、キャッシュフローが悪化するかもしれません。
退去後に家賃収入が減少した
不動産経営において、家賃を決める基準項目は以下の4つです。
- 立地
- 間取り・面積
- 建物構造
- 設備
また、物件の築年数も家賃を設定する大きなポイントとなってくるため、すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件では、退去後に家賃が下がる可能性があります。
特に入居者が長期にわたって住み続けている場合は要注意です。
築年数が1年長くなるごとに家賃は平均1%下落すると言われており、設備の経年劣化による不動産経営の影響は大きいため、事前に周辺との家賃の差を調査しておきましょう。
契約条件がオーナー側に不利な内容だった
オーナーチェンジ物件では、賃貸借契約の内容も引き継がれます。
賃貸借契約のなかには、入居者を確保するために、「敷金・礼金ゼロ」「退去時のクリーニング費用負担なし」など、特別な契約条件になっていることもあります。
このような物件では、退去時の修繕費用などをオーナーが負担しなければなりません。
また、契約内容の破棄・変更には正当な理由が必要となり、オーナーと入居者の間でトラブルの原因になることもあり注意が必要です。
オーナーチェンジ物件で失敗しないためのポイント
ここまで読み進めて、不安に感じている人もいるかもしれません。
オーナーチェンジ物件の購入で失敗しないために知っておきたいポイントを解説します。
現在の契約内容をチェック
オーナーチェンジでは、正当な理由なく契約内容の変更ができません。
しかし、契約条件に関するトラブルを未然に防ぐためにも、契約内容を確認しましょう。
賃貸借契約書では以下の項目について必ずチェックしてください。
- 入居者に関する項目
- 費用負担に関する項目
- 解約予告期間に関する項目
- 更新料に関する項目
賃貸借契約書は、入居者の情報を知るうえで大切な書類です。
どんな人がいつ入居してどのくらい住み続けているのか、保証人の有無や敷金などを確認するだけでなく、更新料や解約予告期間など一通り目を通すことを忘れずに。
もし不安なことがあれば、不動産会社に問い合わせることも重要です。
現地調査で状態を把握
オーナーチェンジ物件はマンションの内覧ができません。
しかし、現地調査で外観や共用スペース、駐輪場、ゴミ捨て場などを見ることで、実際の管理状況や入居者の質などがわかるでしょう。
現地に足を運んで感じた印象は、入居者募集の際に大きく影響します。
ほかにも、騒音や日当たり、周辺環境なども同時に確認することが大切です。
購入してはダメなボロ物件について、こちらの記事で詳しく解説しています。
本当に入居者がいるのか数字で確認
不動産会社によっては、サクラの入居者を用意することもあります。
実際に入居者がいるのかに関しては、賃貸借契約書で不自然な契約がないかを確認するだけでなく、ガスや水道、電気などのメーターも調査しましょう。
また、過去の経営状況から入居者の入居期間の長さを調べることも重要です。
なぜ売るのか理由を確認
賃貸借契約書などを確認したうえで「購入したい」と思えた物件に出会えた場合、なぜその物件を売るのか、売却理由を確認しておくことも大切です。
投資する価値のある物件を手放すには、それなりの理由があります。
以下のような正当な理由であれば、ひとまず心配はないでしょう。
- 高齢や病気のため物件管理が難しくなった
- 遠方へ引越すことになった
- 資金繰りが難しく、売却を急いでいる
このように、旧オーナー自身にまつわるなど納得できる理由がない場合、入居者や物件に何かしらのトラブルや欠陥が潜んでいる可能性があるため十分に注意してください。
修復履歴を確認
旧オーナーからは「修復履歴表」が提供されます。
- 外壁はいつ塗り替えたのか
- 屋根の防水工事はいつ実施したのか
- エレベーターの稼働点検はしたか
- 設備を何か交換したか
上記のように、修復履歴表にはオーナーチェンジ物件の修復歴が記されています。
「安い物件を購入したら、すぐに修繕が必要になった」など後悔しないためにも、購入前にしっかりと修復履歴を確認して、リスクを最小限に抑えましょう。
良質なオーナーチェンジ物件の探し方
さまざまなメリットがあり初心者を中心に人気のオーナーチェンジ物件ですが、入居者がサクラだったり、契約条件が悪かったりするものも少なくありません。
オーナーチェンジ物件を購入する際には、
- 現在の契約内容をチェック
- 現地調査で状態を把握
- 本当に入居者がいるのか数字で確認
- なぜ売るのか理由を確認
- 修復履歴を確認
といった調査が大切であることは、上述したとおりです。
では、これらのポイントをしっかりと押さえたうえで良質なオーナーチェンジ物件を探すにはどのようにすれば良いのか、確認していきましょう。
まずは、収益用不動産サイトをチェックしてみてください。
自分の条件に合ったオーナーチェンジ物件を探すことができますが、不動産経営が初心者にとってどのような物件が良質なのか判断が難しいかもしれません。
このような場合、信頼できる不動産会社に相談してみることが大切です。
先ほども紹介したとおり、不動産会社のなかにはサクラの入居者を用意するなど悪質なところもあるため、表面的な部分だけで判断しないように気を付けましょう。
オーナーチェンジ物件によくある質問
調べていくうちに「こんな場合はどうなの?」と疑問が出てくることもあるでしょう。
ここでは、オーナーチェンジ物件について、よくある質問にお答えします。
オーナーチェンジの通知義務はある?
物件が引き渡されたら、オーナーが変わったことを賃借人に通知しましょう。
オーナーチェンジの通知は任意ですが、もし通知がなければ、管理会社や家賃の振り込み先が変わったことに気づかず、トラブルを招く原因になります。
賃借人へのお知らせである、賃貸人変更通知書を送付してください。
オーナーチェンジ物件は家賃を上げられる?
正当な理由がある場合に限り、家賃の値上げは可能です。
しかし、このケースでの正当な理由とは、不動産に対する税金負担額の増減や、経済事情の変化によって家賃水準が近隣と比較して不相当となった場合などです。
そのため、オーナーチェンジを理由に家賃の値上げはできません。
オーナーチェンジ物件で追い出しは可能?
以下のような理由で入居者を追い出したいこともあるでしょう。
- 物件を建て替えるため
- 売却するため
- 家賃滞納などのトラブルがある
- 自分で住むため
しかし、ほとんどの賃貸借契約では2年間など契約期間を設けられており、賃借人が更新をしない限り、オーナーがそれを拒否することは基本的にできません。
そのため、家賃の滞納があるといった明らかな理由がない限り、オーナーチェンジ物件で借主を追い出すことはできないため注意してください。
オーナーチェンジで敷金の扱いはどうなる?
オーナーチェンジ物件を引き継ぐ際には、敷金の確認が必要です。
敷金は売主から買主へと引き継がれ、入居者の退去時に返却することになります。
しかし、オーナーチェンジでの敷金継承はトラブルになりやすく要注意です。
たとえば、敷金を管理会社に任せている場合、新オーナーに敷金継承の知識がなければ、敷金を引き継がずに自費で敷金を返還しなければならないことも。
このような状況を回避するために、専門家に相談するようにしましょう。
サブリースの契約は新オーナーに引き継がれる?
サブリース契約は、あくまで旧オーナーとサブリース会社間での契約です。
そのため、サブリース契約期間中の売却は契約内容により異なります。
しかし、買主にそのままサブリース契約が引き継がれるケースがほとんどです。
サブリース付きオーナーチェンジ物件であるかどうかも確認しておきましょう。
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まとめ
初心者向きと言われるオーナーチェンジ物件ですが、メリットだけでなくデメリットも少なくないため、購入時はきちんと把握しておくことが大切です。
また、不動産会社に騙されてトラブルが発生するケースもあります。
「こんなはずじゃ…」と後悔しないためにも、信頼できるパートナーを探しましょう。
中山不動産では質の高いオーナーチェンジ物件を取り扱っているだけでなく、一人ひとりのライフプランに見合った投資方法を紹介しています。
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